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20cm...cm ページ12

知らぬ間に握ってしまっていた作間くんのブレザーから、そっと手を離した。

もうこれで本当の本当に終わり。


「ありがと…う。」




突然、ぎゅっと強く抱きしめられて、

「俺、Aちゃんを置いて、消えたりなんかしない。だから、大丈夫。大丈夫だよ。」








「Aちゃんのことが、大好きです。」



「俺と付き合って下さい。」





彼の真っ直ぐな瞳に見つめられ、
恥ずかしくなって、目線を逸らす。

でも、まだ夢のような感覚からは抜け出せなくて



「…ゆ…め、?」
「夢……じゃないよ……。」




そう言った作間くんは、私の頰にそっと触れて
ふにゃりと頰を緩めた。私の大好きな笑顔。






彼との身長差は、およそ20cm。


「私も作間くんが大好きです…。」


それでも、少しでも作間くんに近付きたくて、
背伸びをして、彼の目を見て想いを伝えた。




「両思い…ってこと?」


やった。って小さく微笑む作間くん。



「俺、今すごく幸せ。ありがとう。Aちゃん。」


「ええっ…そんな…こちらこそ、ありがとう…。」


作間くんと視線が交わって、ふふって、2人で笑い合う。
彼の頰までわずか数センチ。

この身長差が憎い。


「じゃあ…これで夢から……覚めてくれる?」


そう言って、彼は私の頰にふわりと優しいキスを落とした。





君の頰に触れるまで。


完.

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作者名:もも | 作成日時:2018年10月14日 16時

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