わたし ページ26
ぱたりと 自分の部屋の扉を閉めた瞬間、
何か魔法がかかったように
全身から力が抜けて、
その場に座り込んでしまった
ごめん りゅうが わたし 嘘ついちゃった
遅くなった本当の理由
口に出してしまったら、またあの悪夢が始まる気がして、
怖くて。
現実を受け入れたくなくて。
言えなかった
ううん 違う
言いたくなかった___
.
「Aだよね」
気付かなかった
いや 忘れていただけだ きっと。そう。
君といた時間がすべて 真っ白で空白で。
どんなに思い出そうと過去の記憶を巡っても
なにも思い浮かばないから
だから。
「どなた……ですか？」
今更 私の前に現れないでよ。
「同じ高校でしょ。俺知ってるんだから。」
"とぼけんなよ。A"
同じ高校？あり得ない
君は一年前に転校したはず。
「え……A？」
思い出したくない過去
戻りたくない過去
全て全て遠く彼方においてきた
ほら 今も 刻々と時間が流れてる
私もやっと前に踏み出せる
はずだった。
あのごく普通の幸せな日々は、すべてわたしが作り上げた幻想だったの？
そんなはず ない。
きっと これが、幻想で、
あれが、現実。だから、大丈夫 わたし。
でも、わたしの中にまだ、昔のわたしが
生きていたみたいで。
「み……ずき先輩」
知らぬ間に動いていた口元
「ほ〜〜らやっぱり。先輩の名前覚えてるなら、もちろん俺の名前も覚えてるよね？」
「今は井上先輩と付き合ってんの？」
「はぁ〜これだから、女は」
"ほんと信じらんないね。"
恐ろしく低い声で放たれたその言葉は
私の心を一瞬で黒く濁すような
そんな言葉だった。
「知らない……です」
きっとこれは夢のつづきに過ぎないのだから
早く眠りから覚めてよ。わたし。
理解が追いつかなくて、
自分に向かって懸命に語りかけた。
早く目を覚まして と。
だってもう どんなに願ったって
過去には戻れないのだから。
.
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菫(プロフ) - さつちさん» ご感想ありがとうございます（；＿；）私生活の方が落ち着いたら、また毎日投稿していきたいと思っておりますので、もう暫くお待ち頂けると嬉しいです。更新遅くなり、大変申し訳ございません（；＿；） (2018年6月2日 11時) (
レス) id: 89056a9af4 (このIDを非表示/違反報告)
さつち - 更新頑張ってください。続きを読むの楽しみにしてます。 (2018年5月28日 6時) (レス) id: 4a4d234789 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - ドーナツさん» わぁぁ(/ _ ; )ご感想ありがとうございます(/ _ ; )とっても嬉しいです！これからも楽しんで頂けるよう、更新頑張ります（ ; ; ） (2018年5月12日 10時) (レス) id: 89056a9af4 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - 小説続くことになって嬉しいです!!私は遅い更新でも全然平気なのでふとしたときでいいですよ!!だからこれからも小説づくり頑張ってください!! (2018年5月10日 19時) (レス) id: 92d51fb25f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菫 | 作成日時：2018年4月22日 2時
