いつか其の傷が癒えるまで。【約ネバ】【レイ】 (ページ3)

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house2. ページ3

レイside

「…」

横を歩くAをちらりと見ると、何かを思い出しているのか、ひどく悲しそうな顔をしていた。

「……何考えてんだよ。」

「…え。」

Aが驚いたようにこちらを見た。

…やべ、思わず声に出ちまった。

「…別に…何も。」

何もないわけ無いだろうに。

Aは呟くようにそう言うと足早にギルダの元へ行ってしまった。

…多分あの顔は…ノーマンの事…か。

少しだけ、俯いて前を見た。

そこには、ギルダに笑いかけるアイツ。

…嗚呼、違うだろ。おまえはもっと…ー。

「…レイ？どうしたの？」

「いや、なんでも。」

ぼーっとしているとエマが心配そうに声を掛けてきた。

「…そう？ならいいけど…」

「ああ、サンキュ」

一応礼を言いAの横に移動した。

………

”ノーマン”がいなくなったあの日から。

コイツはいつも何かを押し殺している。

コイツはいつも無理をして笑ってる。

嗚呼、神様、俺じゃあ何も出来ないのか…？