煙雨ノ少年

備考 ページ4

家は一族経営の会社経営している家系
長男であるスズは幼い頃から厳しい英才教育を受けてきた。外見も良く要領がいいスズが周囲から過度な期待を寄せられるようになるようになるまではさほど時間はかからなかった。しかしその期待に応えられてしまったのがスズだった。本来の自分を無意識のうちに封じ込め、生活しやすいように性格を変化させた。初めは演じているつもりだったがいつの間にか偽りの性格が貼り付けられてしまった。

そんな彼にも少しだけ本心を見せられる相手がいた。
2歳年上の姉である。彼女は両親がスズに期待するあまり、自分のことをないがしろにされていてもスズのことを愛してくれていた。スズの初恋の人は実の姉だった。

厳しい教育に耐えながら、スズは高校生になった。
高校生活を送っていたある日突然その日はやってきた。終末が訪れたのだ。スズはその日自宅にいた。突如家の屋根を次々に突き破った光の矢が広かった家を倒壊させた。スズは倒れた本棚の下敷きになり身動きがとれなくなってしまった。 血塗られた視界の端に写ったのは体のあちこちを光の矢に貫かれた家にいる人々だった。その中には無論、母や唯一の心の拠り所の姉もいた。なにか言おうとしたが口はハクハクと動くばかりで何も言葉を発しない。何が何だか分からないままスズは再び降ってきた光の矢に貫かれた。


【作成者】
とうふ

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