大好きでした(JW 橙) ページ19
【新事業立ち上げのため来月から本社へ異動となった。】
そんな通達を上司から受けて二つ返事でOKした。
引っ越し費用諸々全て会社負担って聞いたのもあるけれど、正直プライベートをリセットしたいっていう気持ちが大きかったから。
早速休日に新居を探すために不動産屋に向かった。
向かう途中、彼に会った。
「あっくん?」
「Aやん!偶然やな!」
眩しい笑顔でこっちに向かってくる私の想い人。
「どこかおでかけ?」
「そやねん!なんかケーキ食べたいんやってー。」
「彼女さん?」
「そうそう。ホンマにあいつ、俺が甘いの嫌いって知ってるくせにな!」
そんなこと言いながらも嬉しそうに笑うあっくんを見て胸がズキズキ痛み出す。
「……そ、そっか。あ、待ち合わせ間に合わなくなっちゃうんじゃない?早く行ってあげて!」
「まだ余裕あるから平気やで?」
コテンと首を傾げながら私を見るあっくん。
「Aこそどっか行くん?」
「あー、そうそう。」
あっくんには引っ越すことを伝えたくない。
私の引っ越す理由はあっくんとさよならするためだから。
「買い物?」
「うん、そんな感じ。」
「なんか元気なくないか?」
「そんなことないよー!あ、ごめん!そろそろ行かないと!」
誰と待ち合わせしてる訳でもないのに急ぐフリをする。
「そうなん?ごめんなぁ?」
「ううん!ありがとう、あっくん!
後さ、しばらくバタバタしてるから連絡取れなくなると思う!……バイバイ!」
矢継ぎ早に伝えてその場を逃げるように走り去る。
あっくんから私の姿が見えなくなった頃を見計らって立ち止まる。
「バイバイ、あっくん。」
そうやって呟いた途端溢れだす涙。
ーーAはいい子やなー!ーー
ーーホンマにAは可愛いなぁ。ーー
ーーA、ずっと俺と友達で居ってな?ーー
ーーAは素直すぎやねん。心配やわ。ーー
どれも言われて嬉しかったしそう言ってくれるあっくんが大好きだった。
でも1番欲しい言葉はいつだって私には向けてくれない。
私とあっくんは友達。その事実がずっと苦しかった。
あっくんの連絡先を見つめる。
"ブロックしますか?"
"はい"
「大好きだったよ、あっくん。」
END
ほんとはこんな終わりじゃなかったのに、、
下書き消しちゃったから書き直したけどなんか当初の予定とは違う終わり(笑)
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由真(プロフ) - リクエストですが、Aぇ!groupの小島くんと佐野くんが、ライバル関係を一時休戦して、正門くんをストーカーから守って、最後は二人で激しく消毒する話をお願いします。 (2020年8月1日 9時) (レス) id: dee5ef993d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみれ | 作成日時:2019年4月5日 20時