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… … … また来ていた、この街に。
俺の足はチョンロたちがいるカフェではなく
この花屋のある街だった。
「 いや、今日定休日かもだし、、 」
誰に言われたのでもないのに
会えない保険をかける気持ちもありつつ
向かう足は軽かった。
「 あ…… 」
「 …この間来てくれた、？ 」
「 お久し、ぶりです。 」
「 お久しぶりです、こんにちは。 」
彼女はいた。
今日も花を持つ姿は絵になっている。
「 あの、えっと、、 」
緊張して、ひと言が出ない俺。
そんなとき奥からでてきた女性が
「 A、手入れ用のアレ買ってきてくれる？ 」
と、声をかけた
「 え、もう無くなってたか！ごめん！ 」
「 でもあれお父さんがいる時じゃないと……
1人では持てないし、どうしようかな…… 」
「 俺、手伝います 」
「 え？ 」
… … …
「 ごめんなさい買い出しなんて…… 」
「 いや、全然。 」
「 女性ひとりでこの量は流石に無理でした 」
「 ほんと、ありがとうございます！ 」
結局、買い出しを一緒にすることになり
帰り道。最近は日が落ちるのが早い。
良かった、俺がいて。
買ったものはお店まで運び、
ふたりで近くを散歩することに。
「 あの、、自分の話しても良いですか？ 」
「 はい、全然！ 」
「 俺、中国から来て
近くの藝大に通ってるんですけど 」
「 え、本当ですか？私の知り合いもそうです 」
「 お〜、偶然ですねㅎㅎㅎ 」
「 ごめんなさい、話を続けてくださいㅎㅎㅎ 」
買ったヒペリカムをテーマに絵を描いたこと。
その絵を留学して初めて褒められたこと。
話し始めれば、緊張していた気持ちは飛んで
スラスラと話していた。
その最中も、彼女は笑顔で聞いてくれていた。
「 そうだったんですね、嬉しいです。 」
「 え？ 」
「 お花が縁を繋いでくれてるようで。 」
「 あ、そうですね、、 」
「 その作品はどこかで見られたりするんですか？ 」
「 あ、携帯で写真撮ってて、、 」
「 見たいと言ったら、ダメですか？ 」
彼女の上目遣いは見事に功を奏した。
「 うわ〜！！すごい！！素敵です…… 」
「 あ、ありがとうございます。 」
「 綺麗な色使い…… 」
彼女の作品を見る目はあたたかく、
また俺のやんわりと胸をつついた。
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作者名：すひょん | 作成日時：2023年3月4日 19時
