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第87話 ページ8

「え…?」


甲「何も考えないで、決めたんじゃない



俺が何のためにここにいるのか、俺のやりたいことは何なのか、とかちゃんと色々考えた



…考えて、決めた」




いつものおちゃらけた雰囲気はどこへやら、真面目に真っ直ぐ甲斐さんは言った




「そ、ですか…そう、ですか


………良かった」



口角がゆるく上がるのが分かった



…断られると、思っていた


断られた時のことも色々考えてて、たくさんの道を頭の中で作ってた




でも、これで1番最適で、1番近道を通れる






「…じゃあ、壮司さんに、伝えな、きゃ…あれ、」




身体の力がふっ、と抜けていく



立ってられなくって膝がかくんと折れた






視界がぐわんぐわんと回転して気持ち悪い





地面が近くなって目の前に迫って、


…そこで、私は意識を飛ばした








ーーー



sideーkai



「良かった」と少しだけ微笑んだA



…笑ったの、初めて見たかもなんてぼんやり思っていた


だから、Aの変化に気付けなかった





葉月さんに伝えなきゃ、と言ったAの身体が
ぐらり、と傾いた




甲「っ!…あ、ぶねぇ」


地面に付くか付かないかの所で受け止める




甲「A?…A!?」





倒れてしまったAに呼びかけるけど、反応はなく



そっちに視線を移すと、荒い呼吸を繰り返すA





ヤバイ、と思って膝の後ろに右手を入れて、左手で身体を支えながら持ち上げる


…まぁ、姫抱きとかいうやつだ






甲「おい!誰かいないか!!」




屋敷に向かってそう声を張ると、何人かの女中が出てきた



女1「甲斐さん、どうしたのですかってA様!?」


甲「倒れたんだ、寝かせる所はないか」


女2「A様のお部屋に運びましょう!こちらです!」




案内してくれる女中に付いていく



なるべく揺らさないように、丁寧に







?「A…?」




歩いている途中で1人の男がAを呼ぶ



…ここの使用人は俺以外Aに様付けだし、
和服ではなく洋服を着てるとすると、



あぁ、そういえば葉月さんが息子が帰ってくるとか
仰ってたっけ





じゃあこの人は輝様、か



甲「輝様、申し訳ないのですが急いでいるため説明はあとでよろしいでしょうか」



こっちを鋭い目付きで見てきた輝様に微笑んでそう返した






ーーーー

甲斐さんは、使用人としてきたのは後の方ですが
纏め役として買われ、壮司さん直々に使用人の中では1番上の位を持っています。

◇→←第86話



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あんず - すごく引き込まれます・・・続きが早く読みたいです!!! (2019年7月15日 18時) (レス) id: dc55c39ad4 (このIDを非表示/違反報告)
((MOE.moena))(プロフ) - 歌い手さん大好きです! この作品、どんどん引き込まれちゃってやばいです……!!これからも無理せず頑張ってください♪ (2018年5月10日 1時) (レス) id: 11d29a6d34 (このIDを非表示/違反報告)
そぷ - 初めてのネット小説なのですが、とても面白い内容で吸い込まれちゃいました!!続きが楽しみです仕方ありません!すごくすごくすごくすごく読みやすいです! (2018年1月24日 10時) (レス) id: 258ff8d101 (このIDを非表示/違反報告)
梟猫(プロフ) - ましゅ**さん» わわ、そんなコメント頂けるなんて…ありがとうございます…!まだまだ拙い文章ですが、楽しんで頂けるようがんばりますね!ゆっくり更新ですが、これからも読んでくださると嬉しいです! (2017年11月23日 21時) (レス) id: 7dd05c1ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ**(プロフ) - 本当に夢小説なのかと疑いたくなるほど、この作品に引き込まれました。すごい読みやすくて、自分も(恐縮ですが)一緒になって泣いたり苦しんだり、笑ったり和んだりさせていただきました。これからも頑張ってください。応援しています。 (2017年11月8日 22時) (レス) id: 60ad5bd9da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梟猫 | 作成日時:2017年5月2日 11時

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