第93話 ページ16
sideーluz
l ｢………は｣
口から漏れたのは、からからの掠れた1音
何を、口にするのが正解なのか
何て言葉を発するのが正解なのか
＿＿＿＿＿＿そもそも、それは本当なのか？
…落ち着け。
この人は嘘を吐く人なんかじゃない
脳がぐわん、と歪んで気持ち悪い
甲｢…輝、ゆっくりでいいから
焦らなくていい、落ち着いて｣
ぽん、と甲斐さん手が頭に乗っかる
l ｢は、っ…｣
いつの間にか息が止まっていたみたいで、
はっ、はっ、と短い呼吸が繰り返される
じわじわと酸素が脳に回ってきた
甲斐さんは僕が落ち着くまで、撫でてくれていた
…あぁ、そういえば、雪さんもこうやって、
不安なときとか、励ましてくれたっけ
視線を甲斐さんに向ける
あ…目とか、めっちゃ雪さんに似てるやん…
くり、とした目元に、なにより黒い瞳
奥まで見透かされそうで、吸い込まれそうなそんな
…僕、焦りすぎてこの人のこと、ちゃんと見てなかったみたいだ
甲斐さんは、雪さんのお兄さんで、葉月グループで働いていて、僕のこと…や、違うか“僕ら”のことを知ってる人
ぐちゃぐちゃだった頭の中が少しずつ整頓される
l ｢えっと、Aはこのこと知ってる、の？｣
甲｢…うん、知ってたみたい、向こうは
まぁ、顔は知らなかったみたいだけどね？｣
あの時は驚いたなぁ、なんて甲斐さんは独り言を漏らす
またAは1人で何もかもやろうとして…
はぁぁあ…と大きいため息が出た
甲｢それより、輝はさ、聞いた？Aから跡継ぎの話｣
l ｢いや、そのAが
『私に任せといて！』
って言ったっきりなにも聞いてないかな｣
甲｢あ“ー…それじゃ、俺から言わなきゃなのか
その、俺が、継ぐことに、なったん…だよね｣
………はい？
l ｢はぁぁあ…まったAは俺に言わずに…！
まぁ別にいいんやけど、甲斐さんなら別に安心して任せられるんやけど…！｣
まったく…と呆れてると、甲斐さんが目を丸くしてこっちを見てた
l ｢え、と…おかしい事言ったかな？｣
甲｢ふふ、いや、その、思ったよりあっさりしてんなって｣
l ｢…うーん、そうかなぁ〜？｣
あはは、と2人で笑って、その後色んな話をして、
時間を過ごした
っていうかさ、
l ｢A、そこいないでここ来ればいいのに｣
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あんず - すごく引き込まれます・・・続きが早く読みたいです！！！ (2019年7月15日 18時) (
レス) id: dc55c39ad4 (このIDを非表示/違反報告)
((MOE.moena))(プロフ) - 歌い手さん大好きです！ この作品、どんどん引き込まれちゃってやばいです……！！これからも無理せず頑張ってください♪ (2018年5月10日 1時) (レス) id: 11d29a6d34 (このIDを非表示/違反報告)
そぷ - 初めてのネット小説なのですが、とても面白い内容で吸い込まれちゃいました!!続きが楽しみです仕方ありません！すごくすごくすごくすごく読みやすいです！ (2018年1月24日 10時) (レス) id: 258ff8d101 (このIDを非表示/違反報告)
梟猫(プロフ) - ましゅ**さん» わわ、そんなコメント頂けるなんて…ありがとうございます…！まだまだ拙い文章ですが、楽しんで頂けるようがんばりますね！ゆっくり更新ですが、これからも読んでくださると嬉しいです！ (2017年11月23日 21時) (レス) id: 7dd05c1ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ**(プロフ) - 本当に夢小説なのかと疑いたくなるほど、この作品に引き込まれました。すごい読みやすくて、自分も(恐縮ですが)一緒になって泣いたり苦しんだり、笑ったり和んだりさせていただきました。これからも頑張ってください。応援しています。 (2017年11月8日 22時) (レス) id: 60ad5bd9da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梟猫 | 作成日時：2017年5月2日 11時
