輩先生と純情びっち【鬼滅の刃】

（41）不器用な蛇 ページ42

「半分終わったー！もう休憩していいよね？」


「10分」


「あいあいさー」






もうぬるくなったコーヒー牛乳を飲む。

冷たい方が美味しかった絶対。




伊黒先生は、向かい側に座ってはいるものの何も教えてくれない。


ここどーやんの？って聞いたらちゃんと答えてくれるけど、こっちがどんだけ頭を悩ませる素振りを見せても先生の方から声をかけてはくれない。


これでこそ我らが伊黒先生！







「そういえば綾瀬」


「んー？なに？」






ズズっと音が鳴った。


あらやだ。もうなくなっちゃった。



まじ我ながら吸引力半端ない。







「あれ(・・)から体調に問題はないのか」


「全然問題ないよ。こないだ熱出たのだってまじひっさびさだったし」


「ならいい」






伊黒先生ってなんだかんだ優しいんだよね。


こんなふうに私があんまり人前で話して欲しくないことは2人のときにしか話さないし。



なのになんでその優しさ全開にしないのかな！

器用そうに見えて不器用だよね、早く蜜璃ちゃんとくっ付けー！







「不死川には？」


「言ってない」


「宇髄にもか」


「気づかれたら言うよ」






伊黒先生ははぁ、と呆れたようにため息をつく。


その前で私は飲んだコーヒー牛乳のパックを思いっきり潰した。

特に意味は無い！







「気持ちは分かるがいい加減男遊びはやめたらどうかね。胡蝶めのように少しは真面目になったらどうだ」


「そういう先生だって早く蜜璃ちゃんと付き合って」


「殺すぞ」






待って今の目ちょー怖い。



鏑丸が可愛く見える。

いや実際すごく可愛いんだけどさ。







「10分経った」


「やだまだ5分」


「さっさとやれ」


「じゃあしりとりしながらやろうよ。

数字ばっか見るの飽きた」





そう言って私が「りんご！」って言うと意外にも先生は怒ることなくちょっと考える素振りを見せる。


伊黒先生かわいーねー






「……ご飯」


「ねぇしりとりって知ってる？」







なんなの！最初からやる気ないってこと？


先生しりとりに付き合ってくれるんだーってワクワクしたのにこういうオチなのね。


さっさと「ん」つけて終わらせてやろう作戦ってわけか。手強い！








「しりとりは終わったからさっさとやれ」


「はい！！！！」








先生の威嚇するような目付きが怖すぎる。

現場からは以上です。





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