輩先生と純情びっち【鬼滅の刃】

（14）伝説のHR ページ15

「よーしお前ら席につけー」



美術教師が一喝すると皆ゾロゾロ席に着くも、いつものスピードじゃない。

不死川先生だと席に着けの「せ」の字が聞こえた瞬間椅子引く音聞こえるもん。


席替えをして無事1番右前の席から卒業を果たし、今は左から2番目の後ろから3番目。

完全モブ席。勝利。



「派手に優しい俺に免じて放課後の掃除はなし！」



「え！まじ？！」

「よっしゃー！！」

「さすが神！！！」



と、今日掃除にあたっていた男子たちが雄叫びを上げる。

私今日掃除じゃないからなんか損した気分。ぴえん。


神と崇められて気分が良くなったのか、「じゃあ解散！」と蓬組史上最もスピーディなHRが終わった。



私の経験談から言うと、不死川先生は意外とHRが長い。なんか長い。

HRそのものの時間がというより体感時間がくっそ長い。



ルンルン気分でスクールバッグを持って教室の扉へ向かう。


掃除で損した気分になったのは宇髄先生の超短縮HRに免じて許そう！！




「さようならー……うぐっ」


「帰んな」


「なんで？！」




みんな「Aばいばーい」って笑顔で手振ってくる。帰らせてもらえない私をバカにしてる絶対。

ニコニコしてる宇髄先生逆に怖い。




「せっかく早く帰れると思ったのに何！」


「いつになったらパーカー返ってくるんだ？」


「あ」



すっっかり忘れてた！！

あの日パーカー借りてからもう１週間経つじゃんやばいって！


めっちゃ着心地いいしあったかいから知らない間に私物化してた。




「今日掃除なしにしたから美術室の掃除もないんだわ」


「はい！掃除させて頂きます！」


「よし来い」




死んだ面下げながらてちてち宇髄先生の後ろを歩いてついていく。

いつも歩くスピード合わせてくれるのに今日早くない？！


あ、もしかしてあのパーカー元カノからのプレゼントだったりした感じ？だったらやばいクリーニング出して返さないと。



美術室に着いた瞬間私は箒と雑巾を手に取りスタコラサッサと宇髄先生の元を離れて掃除する。

「いい仕事っぷりだな〜」ってポテチ片手に言われるもんだからいつもならカッチーンってなってたよね。

今回に関しては完全に私が悪いので何も言いませんが！


今日予定なくて良かった。バイトも休みでよかったほんとに。





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