輩先生と純情びっち【鬼滅の刃】

（11）謎が多い奴 ページ12

綾瀬をカーナビにしながら夜道を進む。


パッと隣見たらもうミルクティー半分以上なくなってて思わず苦笑い。

いや普通女ってちびちび飲むんじゃねーの？それ見て男は「可愛い」って。

まぁ俺はそんな単純な男じゃねーけどな。




「学校遠くね？」


「そー。最寄り快速止まらないし遅刻するのも仕方ないって感じ」


「それは違ぇな」




相変わらず遅刻癖もサボり癖も治らないコイツ。

エスカレーター式で中等部から持ち上がりだから、中学の時から見てるけど遅刻は高校になってから格段に
増えた。

サボりは中学の時からだったし保健室覗いたら8割の確率でコイツいたけど。




「ダッシュボードの中とかなんか面白いもの入ってないの？」


「たとえば？」


「彼女の写真とか」


「今彼女いねーし」




そう言うと「え！うそ！」と目を丸くする。

「彼女3人くらいいるんじゃないの？
もっと遊んでると思ってた……」

いやコイツの中で俺のイメージ悪すぎだろ。




「別に見てもいいけどなんも面白いモンねぇぞ？」


「オープン！」


「思い切りがいいなお前は」




楽しそうにダッシュボード漁るけど、本当に特に面白いものはない。

大量のCDと、運転中たまにかけるメガネぐらいしか入れてない。見られちゃまずいモノは全部家に置いてるし。




「AVとか入れてそうなのに」


「ぶっ、もうちょいオブラートに包んで言えよ。一応教師と生徒の間柄だぞ」


「一応ね、一応」




デリカシーがない。この一言に尽きる。

そのまま車を走らせること20分。




「次の交差点右に曲がったらコンビニあるから、そこで下ろしてくれたらいいよ」


「なに急に遠慮してんだよ。らしくねぇな」


「家の前まで来たらUターンしないと出られない場所だから面倒臭いから。ここから近いし」


「ほーん」





意外と遠慮する部分もあるんだな。


そう言うならと、言われた通りコンビニで降ろしてやると「ありがとうね宇髄先生」といつもの調子で手を振りながら歩いていく。


晩飯でも買って帰ろうとコンビニに入りビールとつまみとカップラーメンをテキトーにカゴに入れる。


それらをレジに通してもらいながら、ふと考えた。




そういえばこの辺ホテル街だったよな。
治安もあんまり良いイメージねぇし。


アイツ本当にこんなとこ住んでんの？


色々考えるが改めて綾瀬は謎が多すぎる。
物騒な噂も多いし。これはほっといたらダメなやつかもなー。


そう思いつつ再び車を走らせた。

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