輩先生と純情びっち【鬼滅の刃】

（7）噂の先輩 ページ8

「炭治郎ありがとう〜〜おかげで宇髄先生と二人きりにならなくて済むよぉぉ」


「そんなに二人になるのが嫌なのか？」


「だってあの人めちゃくちゃいじってくるんだもん！」




放課後、美術室の掃除を任された善逸についてきて欲しいと頼まれてその後をついていく。

話を聞けば、美術の授業に遅刻しまくった結果罰として掃除を手伝う羽目になったらしい。


はぁぁぁ、と分かりやすくため息をつく善逸の全身から憂鬱さが滲み出ている。



「失礼しまーす。掃除しに来ましたあ。

……！！」


「あっ」




善逸が、ノックして美術室を開けるとそこにいたのは



「A先輩！」



高等部3年のA先輩。

キャンパスに筆を走らせる宇髄先生とは少し離れた窓際の机に座っていた。



「炭治郎く…」


バタン！と大きな音を立てて閉まったドア。

犯人は言わずもがな善逸だ。



「ちょっと善逸」


「あ、ああ、あの人って……！！」


「え？3年の綾瀬Aせんぱ…」


「知ってるよ！！！！」




その勢いに思わず一歩後ずさる。



「超有名人じゃん！

めっっっちゃ美人でスタイル良くて、抱きたくない男はいないって！！

し、しかも、び、びっちとかいう噂も」


「なんてこと言うんだ善逸！」


「噂通り超美人だし巨乳だしもうやばいよ俺…話せたらもう死ねる……

てか炭治郎知り合いなの？！」



情報が多すぎて整理つかない……

と、そのとき再び宇髄先生によってドアが開く。



「何してんだよてめぇらは。
さっさと中入って掃除しろ」


「ひぃっ、宇髄先生！」


「てかなんで炭治郎までいるんだ？」


「付き添いです」



善逸は顔を火照らせながら箒を握る。

A先輩はその様子を面白そうに眺める。



「炭治郎久しぶり〜」


「お久しぶりです先輩」


「お、なんだお前ら知り合い？」


「私のお母さんが炭治郎のお店の常連だったの」



善逸は遠くで箒でゴミをはきながら「俺も話したい…」とボソボソ呟く。

ちなみに禰豆子の制服はA先輩のおさがりだ。




「善逸くん、だっけ」


「はっ、はい！！」



お、良かったな善逸！と心の中でエールを送る。



「よく宇髄先生から話聞いてるよ」


「え？なんの話してるんですか先生」


「んー色々」


「何それ怖すぎるんですけど！？」



A先輩の噂は俺もたまに聞くけど本当かどうかなんて分からないし気にしてもない。

ていうかよく考えたら中等部でも噂になるA先輩すごい。


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