輩先生と純情びっち【鬼滅の刃】

（49）傷モノ注意 ページ50

「見えてた？」


「肌白いから目立つんだよお前の場合」






あんまり腕じろじろ見ないで欲しい。

夏休み入ってほぼ毎日職員室の冷蔵庫漁ってるから若干太ったし。



あ、そうそう。


なんかあの日から名前が書かれてないシュークリームが絶対入ってるんだよね。

たまにシュークリームだけじゃなくてプリンとか入ってる時もあるし。


たぶん不死川先生か伊黒先生。




じゃなくて。




スーっと先生の指が私の腕の傷を撫でた。


いや大した傷でもないんだけどね。








「自分が女抱く時にさ、ほかの男に付けられた傷とか痕とかあったら嫌でしょ？」







私もこう見えて気は使ってるんだよ。

色々と。







「だったら、消えない傷がついたらもうびっちは卒業すんのか？」


「ものによるけど。

びっち卒業ってなんかやだなあ」







聞こえが悪いじゃん、っと苦笑い。




「じゃあ」と呟いた宇髄先生はその傷のついた私の腕をグッと引っ張った。


というより、私の腕を持って立ち上がったって感じ。






.





「へっ？」





.






戸惑う私を他所に、先生は腕を握ったまま私の首筋に顔を埋(うず)めた。



微かに先生の香水が香る。







「……ぁｯ」







一瞬の柔らかい感覚と、その後チクリと首筋に走った痛みに思わず声が零れる。



その痛みに耐えようと、私の片手は無意識に先生の肩にあった。




第三者が見たら、なんて思うんだろう。


今きっと、人に見せられない顔してる。






なんか、変な気持ち。



突然首筋に降ってきた長い長いキス。

小さく水音が聞こえる。







「…ん、ｯせんせ………」







少ししてゆっくり離れた先生の濡れた唇がやけに色っぽくてなんかムカつく。


余裕がある大人と、されるがままの子供って感じがなんかやだ。






スマホを出してソコを見ると、見事に赤黒いキスマークが付いていた。


しかもなかなか取れなさそうなくらいしっかり。







キスマ付けるの上手いのむかつく。




口角上げて笑うの絵になるのむかつく。






…知らないうちに心音早くなってるの、むかつく。







そんな私の心中なんていざ知らず、先生は私のおでこにコツンと自身のをあてる。


額当て邪魔だとか言ってられない。









「これでもう他の男に抱かれることはねぇだろ」



「…ん」



「……もう無闇矢鱈に抱かれんのはやめろ」





＊＊＊


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