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(29)お人好し ページ30

「38.7…まだバッチリ熱あんじゃねぇか」


「身体そんな熱くないよ」





ホラ、と私が差し出した手に触れた先生は「あっつ!」と大袈裟に離した。


煉獄先生と不死川先生の予想はドンピシャ。


見事に体調崩した私。可哀想。





「ちょっと待ってろ」





そう言って部屋を出て行った先生は数分後おぼんを手に持ち帰ってきた。


お茶碗が載っていて、そこから湯気が立っている。

え、毒でも盛られるの?わたし。





「雑炊ぐらいなら食えんだろ」


「え、先生が作ってくれたの?」


「飯と出汁と卵入れて煮ただけ」






うん、男飯感満載。

でも普通に美味しそう。てか先生が料理してる姿想像するだけで面白い。




「いただきます」をちゃんと言うのを忘れずに、お茶碗とスプーンを手に持つ。



あ、ちなみにちゃんと宇髄先生が身体起こしてくれたからね。


しかも腰にわざわざクッション入れて。寝転んだままじゃないからねさすがに。




あーんなんてしてもらわないよ。

だって自分のペースで食べれないじゃん(可愛げ0発言)







「…おいしい……!」


「えっ、まじ?!」


「え、味見してないの?」







どうしよう急に不安になってきた。


ガチで毒入ってるとかない?







「白米炊けてるかは味見した」


「それ味見じゃなくて確認」


「俺も食べたい」






宇髄先生は、そう言って私の口に運ばれかけていたスプーンを持つ私の手を掴みぱくりと食べた。






「風邪うつっちゃうよ」


「俺免疫あるし」






そういう問題じゃないでしょ。


と思いつつ雑炊を食べ続ける。ふわふわで美味しい。






「そういえば、お前なんであんなとこいたんだ?」






しかもびしょ濡れで。と付け加えられた。

否めません。






「あー……傘持ってない迷子の子供がいてね、駅まで行ったら帰れるって言うから連れて行ってあげた」


「で、傘は子供に渡したんだ?」


「そうそう」






ほっとけないよね!


傘も持ってなくて濡れながら泣いている子供がいたら。子供ってかわいい。


私のビニール傘も子供に使ってもらえて喜んでるよ。






「お前もお人好しな部分あるんだなあ」


「褒めてる?」


「褒めてる」






そう言ってる間にお茶碗は空っぽ。

用意してくれた薬もちゃんと飲んだ。苦かった。






「風呂は明日でいいだろ?今日はもう寝ろ。」






先生の手が私の頭を撫でる。


目を瞑ったらすぐに眠れた。熱、恐るべし。




.

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絵宙(えそら) - (伊黒先生可愛すぎる…言ったら殴られるかネチネチ攻撃されるけど)←※これは心の中です。 (2020年4月22日 15時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
零華 - ポテ岡義勇で腹筋崩壊したよ☆昨日今日で何回腹筋死滅するんだろうか....(;-;)ピエン (2020年4月22日 15時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)
零華 - 何かを心配する伊黒先生は笑えるwそして、さねみんのシュークリームを食うのは、さすがに気もが座りすぎだと思う(((ToT)))ガクブル (2020年4月21日 21時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - あああ、すこだ、これはすこ。すこすこのスコティッシュフォールドだ。 (2020年4月21日 14時) (レス) id: 48dd1996d3 (このIDを非表示/違反報告)
(*・*) - できちゃった系? (2020年4月20日 16時) (レス) id: 95accb8743 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年4月6日 16時

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