咄嗟の出来事 ページ50
ほんの一瞬の事だった。
有ってはならない事だが、前の診察の時に忘れたのか、傷を消毒したり、手当てする為の器具がAの側に置いてあったのだ。
そこにははさみも、、。
ユンギが咄嗟にそのはさみを取って、自分の首元に刺した。
A「うっ」
ユンギ「な、何で、、？」
ユンギが刺したのは自分の首では無く、Aの背中だった。
ユンギが動いた瞬間、Aがユンギにかぶさったから。
A「はぁ〜。い、、い、、たいな、、はぁはぁ、、ば、ばか、だな、、嘘に、、き、まって、、う、、はぁはぁ、、愛してる、、ユンギ、、」
ユンギを見つめながら、Aが微笑んで、ユンギの頬を触る。
ユンギ「や、やだ、、な、なんで、、こんな、、」
ユンギの声が震えて、混乱しているのが分かる。
A「だって、、、こうでも、、しないと、、戻って、、こ、ないでしょ？ははは、、。」
Aが気を失って崩れ落ちる。
ユンギが必死で、抱きつくと手にべっとり、血が付く。
自分に倒れ込んでくるA。
血がべっとりついた手をユンギが見ながら、
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
と、叫ぶ。
キム先生「はさみに触るな！とにかく、ジッとしてろ！」
先生は我に返って、２人の側に行くと、はさみを固定する。
とにかく、出血を防がなくてはならない。
ポケットのＰＨＳを取ると、耳に当て
「緊急手術の用意。すぐに、こっちにパク先生寄こして。よろしく。」
キム先生「ユンギさん！しっかりして、！ここ、こうやって、Aさんを支えて。」
ユンギ「う、、うん。AはAは、、どう、どう、、なるの？」
キム先生「助ける為に落ち着いて、、。分かった？」
真剣な先生の様子に必死で頷くユンギ。
すぐに、ストレッチャーとパク先生と思われる先生が来て、２人で、Aをうつ伏せに、ストレッチャーに乗せると、脈を診たり、血圧を測ったりした後、運んでいく。
ユンギは腰が抜けてしまって、動けない。
看護婦さん「大丈夫ですか？」
看護婦さんに声を掛けられるユンギ。
ユンギ「、、、、。どうして、、どうして、、何が、、」
看護婦さん「私も状況はよく分かりませんが、とにかく、手術室の前の待合室で、待ちましょうか。」
ユンギ「はい、、、」
何とか、看護婦さんに、起こして貰って、手術室の前に行く。
その前のベンチに座り、
ユンギ「ここで、待っていて良いですか？」
看護婦さん「分かりました」
。。。。
続きもよろしくお願いします。
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作者名：sumiko
| 作成日時：2020年8月30日 20時
