Seesaw 終わらせるのは誰なのか、、。 ページ47
退行．．．
心の負担が限界を超えた時、その場から逃げる為に退行して、まだ、苦しみを知らなかった子ども時代に心が戻ってしまう心の病気。
すぐに戻る事も、長く続く事もある。
ユンギは始めはとにかく、全てが怖くて、只、Aの側に隠れた。
でも、段々、周りにいた人を知るに付け、自分が書いた歌詞を見るに付け、怖いけど、元に戻るべきなんだろうとも思う。
どう見ても、大人の見かけに、自分の心とのギャップが正直辛い。
それに、現実感のない毎日に、違和感が半端ない。
それで余計に最近、Aに抱かれて、全てを忘れていたくなる。
全ては、只の逃げなんだけれど。
でも、Aに抱かれながら、自分の耳に聞こえる声に、自分がれっきとした成人男性なのだという事を自覚せざる負えない。
バチャラと、町を回って、色々、見るのは正直楽しかったけど、やっぱり、周りの不思議そうな顔。
自分を見るみんなの目の違和感に、どうしても、疲れてしまう。
A「ユンギ、、。バチャラに案内して貰って、楽しかった？」
電気も付けずに、ベットに座ったまんまのユンギを心配して、Aが話し掛けてくる。
ユンギ「うん、、。このまま、お別れだと思うと、寂しいけどな。」
A「休暇はいつか終わるものだよ。ユンギ、、。」
いつに無く、真剣な面持ちで、答えるAに思わず顔を上げるユンギ。
A「まあ、先生の診察と、事務所との話如何では戻るかもしれないし、そうじゃなくても、来たければ又来ればいい。僕の実家の持ちものなんだから。」
ユンギ「それもそうか。」
安心して、笑顔になるユンギ。
A「今日はもう、寝ようか？明日も早いし。」
そう言って、Aが、布団に入って、ユンギも来るように、誘う。
ユンギはいつも通り、Aの腕枕で、抱き締められて眠る。
疲れて、すぐ眠るユンギの首元に顔を埋め、Aはユンギの香りに包まれながら
A「愛してるよ。ユンギ、、。君の幸せだけを祈ってるよ。」
そう、囁いて、眠りについた。
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作者名：sumiko
| 作成日時：2020年8月30日 20時
