程々にね。 ページ45
A荷物の整理をしていると、バチャラが後ろからやって来て、
バチャラ「もう、タイには帰って来ないの？」
A「それがね。本当に分からないんだ。ユンギの状況次第でね。ユンギの会社の意向もあるし。」
バチャラ「そうなんだ。つまんないな。」
バチャラが悲しそうに、顔を曇らせる。
A「荷物は置いていくよ。帰れなくなったら、韓国に送ってもらう。」
バチャラ「そう。」
下を向いて答えるバチャラが可愛くて、頭をごしごし撫でる。
A「そんな顔しないで。今回は来れなくなるかもしれないけど、そのうち遊びにくるよ。
もしかしたら、僕だけかもしれないけどね。
ユンギは元に戻ったら、仕事が忙しい人だから、どうなるか分かんないんだ。」
と、Aが言うと、
バチャラ「へ〜ユンギってお仕事出来る人なんだ。」
子供のユンギからは想像出来ないのだろう。
表情もどことなく、あどけなさが目立って、見た目は大人でも、どこか浮世離れしたユンギは本来のキレッキレの姿を想像出来ない。
そのおかげで、誰にもバレないで、居られるんだろうけど、、。
バチャラ「何か手伝う？」
A「いや、当座の荷物だけだから。
出来たら、ユンギにタイの屋台でも案内してくれる？僕はよく分かんないから、案内出来なんだ。」
バチャラ「うん。分かった。」
A「じゃあ、これ、お駄賃ね。ユンギにもいくらかは渡してあるけど。
残ったら、バチャラのお小遣いにすれば良い。」
バチャラ「やったー。
でも、半分でいいよ。
Aはお金の感覚おかしいよ。
お父さんがね、小さい頃から、お金をたくさん持つと、ろくなこと無いって。」
A「はは(^▽^;)そうか。それは一本取られたな。」
負うた子に教えられて、浅瀬を渡るとは言うが、子供に指摘されるとは情けない。
確かに、それは言えてるかも、、。
A「バチャラはいい両親に育てて貰ったね。」
バチャラ「へへ(*´▽｀*)じゃあ、ユンギ、呼んで行って来る。
どこに居るの？」
A「え、、あ〜。寝てる。」
裸で、、。
バチャラ「ああ、、(￣д￣)。何でも良いけど、程々にね。」
Aの様子から、何かを感じ取ったようで、子供らしからぬ視線を送られる。
A「ハハハ(^▽^;)すいません。」
どこに行っても怒られる。
でも、、今朝、誘ってきたのはユンギなんだけど。
そんな言い訳、子供に言えるわけもなく、、。
時計を見ると、午前１２時を回ってた。
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作者名：sumiko
| 作成日時：2020年8月30日 20時
