帰途 ページ32
結局、Aはユンギを送ってはくれなかった。
Aはとにかく、ここで会うのも危険なんだと、頑なに、首を縦に振ってはくれず、半分不貞腐れて、ユンギは帰りの車に乗り込む。
Aは部屋の中で、ユンギを抱き締めて、何度も、角度を変えてｋｉｓｓをして、別れを惜しんではくれたが、部屋からも出ず仕舞いで、
ユンギ「何だよ、、。結局、愛人扱いか、、。」
と、車でぶつくさ言ってると、
黒ずくめのＳＰ「ユンギ様を本当に思っての事です。あまり、悪く思わないで下さい。」
殆ど、指示しかしなかったこの人はAと近しいのかもしれない。
ユンギ「Aとは長いの？付き合い。」
黒ずくめのＳＰ「そうですね。私が１０歳からですから、、もう、ざっと、２５年ですか、、。」
ユンギ「Aと同じ年なんだ、、。」
黒ずくめのＳＰ「その方が、学校でも守れますから、、。」
ユンギ「はぁ〜なるほど、、。ずっと、Aについてるの？」
ＳＰ「いえ、暫く、お家からは離れていらっしゃったので、、。」
急に、声が喋りにくそうになる。
ユンギ「名前、聞いて良いですか？」
ＳＰ「カンと、お呼び下さい。ユンギ様。」
何か、めっちゃ偉くなった気分だな、、。
カンＳＰ「では、私はここで、、、。そこの車に乗り換えて下さい、、。」
やっぱり、狭い道で、下ろされ、違う車に乗り換える、、。
カンＳＰの車がバックで、遠ざかって行くのを見ながら、白いポルシェに乗り換えた。
こっちの車は速すぎて、五月蠅すぎて、何もしゃべれる状態では無かった。
ユンギ「ありが、、と、、う、ございました。はぁ〜」
ああ、、怖かった、、。
若いＳＰ？「いえ、お気を付けて、、。なるべく、1人で行動なさらないよう、、。では、、」
ユンギ「え？どういう意味、、、」
ユンギが聞くのを黙って、会釈して、車があっという間に消えて行く、、。
ユンギ「レーサーか？ハヤ！」
そんなに、マスコミにすっぱ抜かれたらヤバいのか？
でも、俺、男だし、別によくね〜？
よく、分からないな〜。
まあ、用心にこしたことは無いと、足早に、マンションに入ると、すぐ、電話が鳴る、、。
ユンギ「はい、、。」
Aだって、分かってるから、不愛想に出る。
A「もう、着いたって、連絡有ったから。ユンギ、今日は送れなかったから、電話で、、」
ユンギ「ん、、。」
A「怒ってるの？」
ユンギ「ん、、。」
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作者名：sumiko
| 作成日時：2020年6月25日 17時
