やっぱり、会いたい、、。 ページ23
ユンギ「え？これで終わり」
短い手紙にがっかりする。
ユンギの声にびっくりして、近くの人が振り返る。頭を下げつつ、帽子を目深に被りなおして、封筒の中身を確認するけど、特に何もない。
連絡先ぐらい書いても良いのに。
不意に、電話が鳴る。
知らない電話番号怪しい、、怪しいけど、出てみる。
「ユンギ、、。」
忘れもしないAの声、、。
どっかで、見てるのか？慌てて、周りを見渡す。
A「今、フロントに電話して、受け取ってくれたって聞いたから、ユンギ、会いたい、、。」
Aの掠れるような優しい声が胸に刺さる。
ユンギ「俺だって、、。どこに居るの？」
始めて自分の気持ちに正直になる。
A「ん、、？ああ、、お家。生家というやつです。」
ユンギ「ああ、実家の事ね。」
A「ごめんね。ちょっと、ややこしくて。どこで、誰が聞いてるか分かんないから、携帯も飛ばし携帯使って、外でしゃべってる。」
なんだそれ、どんなお家？
ユンギ「テレビ見ろとか、自首でもすんの？」
A「(￣∇￣;)ハッハッハ。相変わらず、冗談きついね。そこまで、悪い事してないよ。」
いや〜結構、本気で考えたけど、、。
A「あっそうだ。俺だってって、さっき言ってたよね。俺だって何？」
ユンギ「えっと、、。そんな事言ったかな？びっくりして、忘れた、、。」
改めて、言われると、素直になれない。
A「そっか、僕の気のせいだったんだね。ユンギ、、声、聞けて良かった、、。じゃあ、、。」
Aの沈んだ声、、。電話切られる！
ユンギ「あっ、待って、、。会いたい。すっごく会いたい、、。」
A「(*￣▽￣)ﾌﾌﾌｯ♪やっぱ、そう？そういう意味かな？って思ったんだけど、、。」
ベタな手にまんまと引っかかった。
でも、それでも、電話切られるより良い、、。
ユンギ「じゃあ、会ってくれんの？」
A「はぁー。会いたいよ。本当に会いたい。でも、今は止めとく、。」
急に低い声に代わる。いい声だけど、、。
ユンギ「何だよ。それ。言わせたかっただけかよ。言い損、、。」
A「ゴメン。ユンギ。今は色々、マズイ、、。」
ユンギ「じゃあ、せめて、連絡先ぐらい、、。この携帯は出るの？」
A「いや、多分、又、変えるから。」
スパイ映画みたいだな。裏の組織にでも関わってるの？
声聴かなきゃ良かった。
何か、肌に触れたくなってくる。
クールな俺がどうしたんだ、、？
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作者名：sumiko
| 作成日時：2020年6月25日 17時
