もう一度だけ会えたなら (ページ9)

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早朝の静かな部屋にお互いのお茶を啜る音が響く

「最近…帰れてなくてごめんな、」
しばらく逡巡していたが、考えがまとまらないまま話し出す

『ううん…忙しいのはわかってるよ。体が心配だけど』

「この前、話したいことあるって言ってただろ？ごめんな、すぐに聞いてやれなくて…」

『あっ、うん…』

それっきり黙ってしまった彼女
言いづらいよな
無理やり聞き出すべきではないか

「A？」

『ん…？』

「……俺たち、わかれようか」

『…えっ、』

「Aのこと、幸せにしてやれないんだ、」

悔しそうな悲しそうな顔をしている彼
でも私の方は一切見ない

その顔を見て
あぁ、やっぱりそうか
なんとなく、、わかってた

そう思った

今だけじゃない、一未は私を見ていない
愛されてる気になってた
優しいから傍にいてくれたんだね
でも、もう限界なんだね…

『…っ、』

「…すまない」

すぐに引っ越しも出来ないから、今後のことはまた話し合おう
そう言って一未は仕事に向かった

仕事に行く気にはなれなくて、体調不良で休ませて欲しいと連絡をいれる

今更言えない
そっとお腹をなでる
ううん、言えなくて良かったんだ

未来を思い描けない人間に言われたって困るよね

－ーだいすき、だったよ、、一未