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すると、突然。アリスの科学講座が始まった
アリス「蕎麦の香りの元になるのは主に揮発性アルデヒド。ノナナールやデカナールといった成分です。この揮発性アルデヒドは周囲の温度が下がるとその揮発量が減るという報告があるわ。そうよね？葉山君｣
葉山｢あぁ。揮発量ってのは言わば空気中にその匂い成分がどれだけ漂ってるか、だ。これは料理でも極めて重要になる。特に蕎麦みたいな風味が物を言う料理は尚更な｣
陽咲乃「はい！とは言え、温度による蕎麦の香味成分の揮発量変化など調べられた事もなければデータにもないのが事実です。ですが」
えりな「ですが、この二人の話を元にすればこの状況において１つ、仮説を導く事が出来るわ。低い室温や湿度。この会場には、蕎麦の香りが立ちにくくなる悪条件が揃っていた可能性が高いという仮説が」
紀ノ国「な！？」
アン｢ええ。その通りです。ミス紀ノ国の蕎麦は淡く繊細な風味の混ざり合いを味わう物でした。だからこそ、室温によって少なからぬ影響を受けてしまった。しかし、ミスター幸平の蕎麦は違います｣
シャルム｢あぁ。幸平創真は敢えて熱を加えて油の匂いやお焦げの香ばしさも全ての皿の魅力にする事で、風味の立ちづらさをカバーしたんだ！｣
紀ノ国「そっ、そんなの只の偶然です！たまたま彼が三番粉を手に取っただけで｣
一色｢いや…こうなったのは偶然じゃないさ｣
紀ノ国「！？一色…？」
一色｢何故なら、創真君はこうなる事を最初から予測していたんだから。そうだろう？創真君｣
そう言いながら、慧の目線を受けた創真君はそっすねと答える
創真｢温度が原因とは分からなかったすっけど、試合始まって蕎麦粉選んでる時に、遠月の授業で蕎麦粉を触った時と比べて匂いがグッと来ないなって。だから油で焼こうと思ったんすよ。蕎麦の風味を更に強化した品を作る為にね｣
紀ノ国「！」
創真｢ただ一番粉じゃ焼くって工程に耐えられないかもしれないから、香りの強い三番粉ならって。そうすれば風味が立ちにくい状況でも」
創真君はニコッと笑って言葉を続ける
創真「審査員の人達に蕎麦の美味しさをしっかり感じてもらえるでしょ！｣
「！」
皆が困惑する中で、創真君は寧々に向かって言う
創真「というか、俺にも先輩の蕎麦を食べさせて貰って良いっすか！？」
紀ノ国「え…」
創真「勿論。俺のもどんどん食べて良いんで！｣
すると創真君は自分の蕎麦を手に持って寧々に渡し、寧々の蕎麦を食べ始めた
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shoko0619(プロフ) - ありがとうございます。凄く嬉しいです。 (2020年11月8日 10時) (
レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
ホルン(プロフ) - コメントありがとうございます！そう言って貰えて凄く嬉しいです。分かりました。色々あって、中々更新出来ませんでしたが才波朝陽オチで少し考えてみますね (2020年11月8日 10時) (レス) id: 7466c4a210 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - ホルンさんの小説大好きです。もしオチがあるのでしたら才波朝陽がいいです。 (2020年11月8日 8時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
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