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こころ「それこそ、Aが良い例ね。人は成長して行く中で、自身の周辺環境によって感情が乏しくなったり、逆に豊かになったりするものよ」

「………。」

こころ「したがって、変質していない原始的な感情を研究するには、人間が生まれたその瞬間から実験を始めなければならないの」

私と三王寺「!?」

三王寺「こ、こころさん。それって、まさか…」

こころ「ええ。私はその研究の為に『子どもを産んだ』わ」

ハァ…興味もないけど、やっぱり思ってしまう。私の周りにいる人達は全員…

「本当に狂ってる…」

こころ「それは、Aが言えた事では無いと思うけど…まぁ、いいわ。一先ずは他の子どもを使うより、その方が色々とお得だったのよ。だから、私は研究室で子どもを産み、その直後に研究に入った。そのファイルのデータは全て、当時の実験時に保存されたものよ」

三王寺「は、はぁ…そうなんですか。ちなみにそれ…夫の方は同意したんですか?」

こころ「ええ、一応ね。これに関しては遺伝子の影響が無いので、相手は誰でも良かったから…。研究者グループの知人の一人に、前々から私に熱心に拘っていた人が居て…丁度良かったのよ」

「………。」

こころ「…まぁ、この話はこれ以上深堀しても面白くないわ」

三王寺「そうですか…。では、娘さんと夫が行方不明という話は…?」

こころ「それは、実験途中に彼が娘を連れて逃げたのよ。それ以来、連絡が途切れて私もよく分からないわ。…本当に奇妙な話しよね。彼も実験には同意したはずなのに…。それ以来、母性…いや、父性という感情も無視出来ない事に気付いたのだけれど…」

三王寺「え?ですが…見た所、このデータファイル、比較的数年前までずっと更新されていたようですが…?」

こころ「それは、実験途中に逃げたせいで、あの子が実験中に脳の中に付けていた脳波スキャン用チップを外して無かったから。半永久電池で動いていたから、あの子が生きている限り、データはPCに転送され続けたはずよ」

「…あの子が生きている限り、送られるデータ。それが数年前で途切れている。つまり、その子は数年前に死んだ…って事になるね」

三王寺「そうですね。ですが、何故直ぐに消さずにデータを積み重ねたんです?感情を感じる度にデータが送られているので、容量もかなりのものですが…もうしかして、当時は他の研究資料として活用しようとしていたんですか?」

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ホルン(プロフ) - NANAさん» コメント、ありがとうございます!イラストは下手なりに頑張って描いたので、そう言って貰えて凄く嬉しいです!これからも早め更新を頑張りますね! (2022年10月30日 20時) (レス) id: 7466c4a210 (このIDを非表示/違反報告)
ホルン(プロフ) - nyankitさん» コメント、ありがとうございます!そう言って下さると嬉しいです!ようやく6章に入ったので、これからも読んで下さると嬉しいです! (2022年10月30日 20時) (レス) id: 7466c4a210 (このIDを非表示/違反報告)
NANA(プロフ) - 続編、おめでとうございます!イラストが本当に素敵です! (2022年10月30日 15時) (レス) @page1 id: db1e235f81 (このIDを非表示/違反報告)
nyankit - おぉぉ!いよいよ16までいきましたか……イラストに居る3人とも全員可愛すぎます! (2022年10月30日 13時) (レス) @page1 id: b2849619e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホルン | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年10月30日 7時

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