黒幕側の超高校級の？？？【１５】

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前田「そうなるね。虹上はさっき、空が密室を作って、焦っているフリをしていたって言ってたけど…これも簡単な事じゃないよ」

虹上「え…そ、そうですか？ドアを開いた状態で鍵をかけてそのまま閉めれば、簡単に施錠出来ると思いますけど…」

空「………。(ドアを開いた状態で鍵をかけて、そのまま施錠。それは本当に可能だったのでしょうか？それを示す証拠は……)」


【放送室の施錠装置】


空「(…！そうです)…残念ですが、虹上さん。放送室の扉は普通の扉の構造とは少し違います。放送室の施錠方法はボタンや引き込み式ではなく、回すタイプ。言い換えれば、扉を完全に閉じた後でなければ、施錠出来ないという事です」

虹上「！」

三王寺「なるほど。虹上さんが言ったように、施錠装置を回した状態でドアを閉めようとすると…ラッチがドアの間にぶつかってしまいますね」

空「はい。なので、中に人が居ない状態で部屋が施錠されているのは、相当な矛盾になります」

歌舞谷「ええ。本当に犯人はどんな方法を使ったのかしら？私達は放送室内を徹底して捜索したから、部屋の中に隠れていたって事は有り得ないし…」

空「………。(やはり、簡単に解ける問題では無いようですね。この難題は一人で考えても分かりません。先ずは、皆さんの意見を聞いてみましょう)」




―ノンストップ議論・開始―

「犯人は一体どんな方法で密室を作ったのかな」

前田「何か道具を使ったんじゃない？」

三王寺「確かに放送室の倉庫には、多くの機材がありましたね。ですが、肝心の方法が分かりませんよ」

歌舞谷「…あっ。なら、実は密室じゃ無かった…とか？」

前田「どういう事？」

歌舞谷「空も言っていたけど、窓ガラスが１枚だけ割れてたじゃない」

虹上「あぁ、なるほど！犯人は《窓を壊して逃げた》んですね！」

空「！」

【壊れた窓】

空「それは違います」

BREAK!





空「いえ、虹上さん。それは違います。私も最初はそう思いましたが…それで飛び降りても、犯人は墜落死するだけです」

虹上「え…でも、その…アクション映画のように、ロープみたいな物を使って降りた可能性もあるんじゃ…。それに、ここは仮想世界ですし。高い所から墜落しても生きてるかも知れません。ほ、ほら、底を突き破るとかで…」

空「………。」

虹上「あ！も、勿論、前例があるからって、空さんを疑ってる訳ではありませんが…！」

前田「…やめてよ、虹上。その可能性は無いから」

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