青葉城西高校バレーボール部、マネージャー募集します。【男主】

4 No、なんて言えなかった。 ページ4

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世界はそんなに甘くなかった。



「なぁなぁ、俺たち水泳部のマネージャーやってよ〜」

『ですから、俺なんかより可愛らしい女子マネの方をおすすめしますよ』

「ブサイクな女より可愛い男ってやつだよ」


さっきからしつっこい。

何度も断ってるのにどうして諦めてくれないのか。


「仮入部から始めよ、なっ」

『い、や、で、す!!!!』


腕を引っ張られるのを必死に耐える。

どうしても引きずられる足。


「はーい、そこまで〜」


パンパン、と手を叩く音とゆるい声。

振り向くと、さっき俺にバレー部のマネージャー勧誘してきた先輩。



「東雲ちゃん、うちのマネだからさ」

「なんだよ、及川んとこのマネかよ。つーかバレー部ってマネ募集してたっけ?」



このイケメンさんは「及川」というらしい。

その及川さんは「じゃあね〜」とまたゆるい声で俺を連れていった。



『…あの、助けてくれてありがとうございます』


ぺこりと頭を下げる。

『でも俺、やっぱマネージャーは…』

「ねぇ、バレー部の練習見てみない?」

『え』

「俺が卒業する時には…」





え、


及川さんのオーラ、なんか変わった。





「バレー部入ってよかった、って思わせてあげるよ」




No、なんて言えなかった。


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