幼なじみ、すれ違う模様です。【ハイキュー!!】 (ページ32)

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「ボゲェ!!」

幻聴かと思った。

だって

こんな所にまで彼が探しに来てくれるはずがない。

それなのに

私は振り返ってしまうの。彼の声がした方を。

「風邪引くだろうが!!」

嗚呼

幻聴なんかじゃなかった。

彼はいた。泣いてしまいそうだ。

「ちょ、泣くな…」

無理だよ。

私今、とっても嬉しいんだよ。

だって

私の身体を、誰よりも愛しいあなたが抱きしめてくれているから。

そして

「好きだ」

こんなにも素直に愛の言葉を私に向けて囁いてくれる。

「たとえお前が俺以外の誰かを好きでも、俺はお前だけが好きだ」

『…本当にバカじゃないの。私には一くんしかいないんだよ。…矢巾とは本当に何もなかったの』

「…わかってる。俺がカッコ悪かっただけだ」

一くんの唇が少しずつ近づいてくる。

私は少し背伸びをして、そのタイミングを速めた。

当然驚いた顔をする彼。

私はしてやったりと言わんばかりに彼を見つめ返す。

そんな二人を知っているのは

真っ白な雪だけだった。

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