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翌朝、部活のために私は朝早く家を出る。
予報通り、一面雪でいっぱいだ。
ホワイトクリスマス。
一歩踏み出せば、サクッと雪の音がする。
…今日も、私が体育館一番乗りだった。
ふにゃふにゃのボールに空気入れて、記録ノート用意して、ドリンク作って。
ネットは怪我の都合でどうしてもできないから他の部員にやってもらってる。
そのうち、国見ちゃん、金田一、渡、矢巾、京谷と皆が姿を現す。
「おはようございますAさん!」
「おはようございますAさん。今日は積雪がひどくなりそうなので部活は午前で終了って監督からの指示です」
『わかった』
溝口コーチと入畑監督が体育館に来ると、皆が一斉に挨拶。
監督の口が開く。
「新しい主将のことだが」
体育館中に緊張が走った。
恐らく性格的に矢巾か渡になるのだろう。
「矢巾」
「は、はいッ」
「お前に青城バレー部の主将を任せたい」
「頑張ります…!」
矢巾の指先が少し震えているのがわかった。
わからなくもない気がする。
県ナンバーワンセッターと呼ばれた及川徹。
その後釜として色々なことを学び、研究してきた矢巾秀。
今矢巾は及川徹と同じことを求められているのだ。
そりゃあ
指先のひとつも震えるだろう。
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作者名:すみのん。 | 作者ホームページ:https://twitter.com/EnstKuro
作成日時:2017年10月7日 6時