幼なじみ、すれ違う模様です。【ハイキュー!!】 (ページ21)

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12月になると、もうすぐ冬休み。

3年生は受験を間近に控えて勉強。

幸い徹くんも一くんも推薦で大学に受かったみたいで、受験勉強に追われてはいなかった。

『徹くん大学合格おめでとう』

「ありがとー!プレゼント開けていい?」

『うん』

「すごい!キーケースと手帳だ!実用性ばっちりじゃん!」

実は一くんのお祝いも用意してた。

でも

あれから一度も口をきいてないし、ましてや自分から話しかける勇気もない。

「ありがとうAちゃん。これ大事にするね」

『うん、…あと、これ』

徹くんに差し出した包み。

"一くんへ"

そう書かれた包みなので、徹くんもそれが彼に宛てたものだとすぐにわかったようだ。

『なかなか会えなくて。…徹くんから渡しておいてもらえないかな』

そんなのは嘘だ。

本当は目を合わせて拒絶されるのが怖いだけ。

中身は腕時計。

この間、一くんが腕時計を壊してしまって困ってると聞いてから今年のクリスマスプレゼントはこれにしようと思って文化祭の前から用意してたものだ。

というのは表向きの理由。

女が男に腕時計を贈るのには意味が込められている。

"あなたの時間を束縛したい。"

醜くてごめんなさい。

でもそれだけあなたが好きだと、その腕時計に込めたかった。

「別に構わないよ。わかった、岩ちゃんには俺が渡しとくよ」

『…ありがとう』

徹くんと別れ、私は体育館へ向かう。

クリスマスは、もうすぐだ。

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