幼なじみ、すれ違う模様です。【ハイキュー!!】 (ページ20)

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朝練。

私はいつものように一番に体育館に来る。

幼なじみの二人がバレー部を引退するまでは一緒に来てたけれど。

でも

今日は先客がいた。

『やは、ば』

矢巾秀。

昨日、私に好きだと告白してくれたクラスメイト。

一瞬の沈黙が走る。

私は視線を下に下げるものの、彼は私から視線を離さなかった。

体育館の端と端。

彼は言う。

「今よりかっこよくなってもっかいお前に告白するよ」

どきりと心臓が鳴った。

でも

一くんとは違う高鳴り。

「だから友達のままで待ってて」

『…私が待たないで他の人のところに行ったら?』

「Aがそれで幸せならいいよ」

嘘だよ。

だって同じ好きな人を持ってる私にはわかるの。

あなたを好きなのは私だけでいいし

私を好きなのもあなただけであってほしい。

あなたが幸せならそれでいいなんて、大人ぶってるだけじゃない。

恋なんて綺麗でも素敵でもなんでもない。

醜くてどろどろしてて、儚い。

それなのに矢巾はどうして

そんなに嘘のない笑顔で言えるの?

『それでも、…それでも私はきっと一くんを好きだと思う』

「わかってる」

傷つくのがわかっててどうして、そんな優しい笑顔を浮かべるの。

「ただ俺が諦めたくないだけなんだよ。お前が誰かのものになるまでは」

嗚呼

私と同じだ。

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