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side Yahaba
そもそも俺がなんでこいつを好きになったのか。
顔がタイプだったっていうのは根底にある。
初めは本当に「顔が可愛いマネージャーが入って来た」としか思わなかった。
でも、去年の夏休み合宿。
「やっべ、フツーにハードすぎ…」
1週間の長期合宿。
暑さとハードスケジュールで、4日目にはスタミナ切れを起こしていた。
ふらふらとする目の前。
だけどここで止まるわけにはいかない。
上には及川徹というスーパーセッターがいて、俺はそれに憧れて。
「及川さんみたいに…ッ」
そう思うのに、足が動かない。
そんな時
『矢巾ちょっとおいで』
「…っンだよ!邪魔すんじゃ…!!」
思わず逆ギレしそうになったその瞬間、氷水が入った袋がぴたりとおでこに当てられた。
『オーバーワーク。徹くんみたい』
「…俺が?及川さん?俺はあんな天才じゃない」
『徹くんは天才なんかじゃない。ほんッとバレーバカで努力家』
彼女はコーチに、『矢巾休ませます。熱中症』と告げて医務室へ。
『あいすのんとかあるかなー、あったあった』
「…練習、戻らねーと」
『今戻ったって倒れて終わりでしょ。バカなの?ヤハバカだね』
あいすのんをテキパキとタオルに包んで俺の頭の下に。
『ちゃんと元気になって戻ってきてよ、あんたのトス、かっこいいよ』
「…」
"あんたのトス、かっこいいよ"
その瞬間、恋に落ちたんだ。
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作者名：すみのん。
| 作者ホームページ：https://twitter.com/EnstKuro
作成日時：2017年10月7日 6時
