俺たちが通う高校には女帝セコムと呼ばれる奴がいる。【HQ!!】 (ページ4)

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セコム。03 ページ4

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side 月島

「荷物はもう運んであるよ」

『相変わらず仕事が早いのね』

「これしきのことができないようじゃAの面倒なんて見れないからね。うちのお嬢は昔っから抜けてるところがあるから」

さっきから俺たちの嫉妬心に触れることばっかり言ってくる。この松川って人。

隣の白布さんも顔が苛ついている。今回ばかりは気が合いそうだ。

『二人とも申し訳ないのだけど今日は彼と帰ることにします。じゃあまた』

「「あ、ちょっと会長」」

引き止める間もなく車は走り出してしまった。

白布さんと目が合う。彼の目は"緊急事態だ"と語っていた。僕もそれに頷いて、すぐさまトークアプリでグループを作った。
グループ名は"黒咲セコム撃退の会"。センスのないネーミングではあるが、そんなことはどうでもよかった。参加しているのは会長以外の生徒会メンバー。
今日あったことを事細かに文章にして送れば、全員から松川一静撃退の意を示されたのである。

"とりあえず松川って人と登下校させるな!!"
第一ミッションだ。じゃあ会長の家まで誰か迎えに行こう、という話になった。しかし

誰も会長の家知らない。詰んだ。
ならば明日会長を家まで送って家までのルートを探ろう。そうしよう。
グループでも賛成され、明日早速実行することになった。

翌日、放課後。
生徒会メンバー全員で会長の元へ行くと既に松川一静はいた。執事のような振る舞いで会長の鞄を持ち、彼女を車へと案内しようとしている。

最初に会長の前に現れたのは二口だった。

二口「会長、今日は俺たちと一緒に帰ろ」

『え、ですが迎えが…』

月島「あんまり車ばっかり使ってると運動不足で太ると思うケド」

『それもそうですね…』

うーん、と会長は悩んでいる。

すると松川一静が口を開いた。

松川「A、大丈夫だよ。車移動することも考えてカロリー計算した食事を作ってるから」

『え、そうなの?』

松川「もちろん。俺はAのお目付け役だからね」

白布「じゃなかったとしても運動不足は体に良くありません」

困った表情で会長は俺たちと松川一静を交互に見ている。

松川「じゃあ俺と二人で歩いて帰ろうか。駅までの道は狭いし生徒会メンバーで広がって歩いたら迷惑になる。あんなことがあった直後だし、学校のイメージが下がるようなことは避けた方がいい」

『それもそうですね。それでは皆さんまた』

第一ミッション、撃沈。

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