セコム。02 ページ3
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『今日の仕事はこれだけですよね』
月島「ハイ、後はそれぞれの役職が受け持つことになってます」
『それでは帰りましょうか』
3人で校門を出る。
すぐ横に黒のどでかい車が停まっているのが見えた。
そして、そこからこの学校の制服を着た男が一人出てくる。
会長はどうやらその男を知っているようで、ぱっと目を開いた。
『一静、さん…?』
"一静"
そう呼ばれた男は会長に近づいて
松川「A、久しぶり」
『お久しぶりです…!京都にいたんじゃ…?』
松川「お父さんに言われてね。京都から出てきたんだよ」
彼女の頭をぽんぽんと撫でる。
紳士的な振る舞いに慣れているようだった。
『過保護なんだから』
松川「そう言わないの。あんなことがあったんだから心配してるんだよ、親父さんも」
『まぁ、心配かけたのは申し訳ないと思ってるんだけど…』
松川「というわけで、今日から俺がAのお目付け役として一緒に暮らすことになったから」
「「はっ?」」
俺と月島の声が重なる。
暮らす?まさか二人で?そんなどこぞの少女漫画みたいなことあってたまるか。
『暮らすって二人で?私の部屋二人住むには手狭すぎるけど』
松川「これから荷物まとめて俺の部屋に来てもらうことになった。俺と二人なら心配ないだろうって親父さんも言ってたし」
『そっか』
会長もそんなあっさり承諾するなよ。
だいたいの少女漫画の主人公は"こいつと二人で暮らすなんて最悪!"って言うのがお決まりだぞ。
松川「それに娘に悪い虫がつかないように見張っておいてくれ、とも言われたしね」
ちらり、と俺たちのことを見た。
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作者名:すみのん。 | 作者ホームページ:https://twitter.com/EnstKuro
作成日時:2018年4月24日 1時