不良と恋しちゃった話_2 (ページ41)

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『絶対嫌だからね！？』
「なんでそんなこと言うの？太もも揉むぞ？」
『それは俺が許さへん』
「Aと俺がやったって広めるぞ？」
『そんな事実ないじゃん！』
「無くてもみんな信じるよ！」

なにこの脅迫…

「カラオケの採点機能の人間版だから！」
『ふざけるな！無理！私の顔を見ろ！(自虐)』

無理に決まっている…

「でね、こっから先がオーディション会場なんだけど」

あれ、何事もなく説明してるよ？

「お願い、A。俺の顔をたてると思って」
『慎ちゃんのことだから「あそこもたてる」とかいうんでしょ？』
「言わない!二度と！出てくれたら！」
『ほんと？』
「ほんとです！」

…

『…分かった』
「ほんと？ありがとうA！」
『歌だけならちょっと挑戦してみてもっていう』
「大丈夫、Aの美声なら高得点間違いなし！」

…勢いとノリに任せて「やる」ことになったけど
冷静に考えてみると現実は厳しい気がするよ！！！！
普段のテンションなら間違いなくやらないのに
文化祭のハイテンションのせいで！！！

『き、緊張してきた…』
「A…」

神妙な顔つきで慎ちゃんに呼ばれ戸惑う。

『え、なにどうした』
「ありがとうね！」
『…え？』

慎ちゃんは今までにないくらいうれしそうに笑う。

『慎ちゃん』

そこまで喜んでくれるなら…

『私頑張るね』
「あ～よかった。これでノルマ達成！」
『…ん？今の本音？』
「気のせい気のせい！じゃ客席から応援するから！」
『なぁ漫画ないの？』

ふぁああ、と紫耀が欠伸をした。

『ちょ、君たちもう少し親身になって応援してよ』

オーディション会場に入ってみれば
殺風景な教室の中に踏み台がひとつとＣＤプレイヤーが置かれていた。
審査員らしき2人とその奥に二人、紫耀と慎ちゃんがいた。

うわ、緊張する！なんだこの羞恥プレイ！

「柏木Aさんですね、歌に自信はおありですか？」

審査員が言った。

『えーっとあんまり、、、ですかね』

出てみたはいいものの歌は下手だし
これからどうするんだろう…。
審査員は慎ちゃんが書いた私のエントリーシートを見ている。
見ているというより凝視していた。

「あ、あのえっとこれは」
『え？』

*