不良と恋しちゃった話_2 (ページ2)

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『平野～、次移動教室だよ～』
『わり、先行ってて～』

イジメ問題も解決し、ようやく学校が楽しくなってきた頃
クラスメイトの女の子に言われた。

｢2人ってみんながいるから苗字で呼んでるの？｣
『違うよ！いつも苗字』
｢へぇ～2人の時は名前なのかと思ってた～｣

な、名前…。
言われてみれば私はずっと｢平野｣って呼んでるし
平野は私のことを｢柏木｣って呼んでいる。
最初の関係が関係だから仕方ないと思うけど

今さら｢紫耀｣｢A｣なんて恥ずかしすぎるっ。
無理だ、考えただけで…

『呼び方、変える？』

唐突に平野が言い出した。

『えっ、なんで？』
『さっき友達に言われてん、苗字やと壁感じるって』
『私は感じないよ？』

だって、出会った瞬間蹴り飛ばされてますし
今さら遠慮とか壁とか無いっすよ？(笑)

『柏木が嫌やなかったら名前で呼ぼうと思ってんけど』
『ま、まじですか』

少しの沈黙のあと、平野が唐突に切り出した。
ちらりと見ると、目が合ったので速攻でそらした。

『嫌？』
『嫌じゃないです…むしろ嬉しいって言うか』

究極に恥ずかしい思いをしそうだけど
実は私も名前で呼んでほしいなって思ってたりもしたわけで
だって、嬉しいよね？！？！

『そっか、良かった。じゃあ、A』

呼んだ、呼ばれた…。
名前で呼ばれた！！！！！
一気に顔の温度が上昇する。
無理ダメ、想像以上に恥ずかしい。

『やっぱ無理！だめ！禁止！』
『呼んでいいって言ったやん！』
『だって恥ずかしいんだもん』
『平野は普通やねんけどな』
『私は普通じゃないもん！』
『Aが嫌がってるのもおもろいし』
『ばかっ！』

たかが呼び方変えただけでこんなにドキドキするもんなの？
手汗！手汗がすごいんじゃ！！！！

『よし！Aも平野のこと名前で呼んで？』
『はっ！？』

“紫耀”と名前で呼べというのか！！！

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