肆拾漆話 炎 ページ8
あの日のお祝いパーティー的な何かから1週間。
今日は脚のリハビリがてら、煉獄さんのお見舞いに行きます。
『……まぁ、リハビリの方がついでなんだけど』
お見舞いの品なんて持ってないし、言いたいことも上手く伝えられないかもしれない。それでも、謝りたいんだ。それと、
あの返事も。
コンコン
『煉獄さん、失礼しま……』
そこに居たのは、ベッドに座り、寂しそうな顔で窓の外を眺める、美しい炎だった。
「菫、か……？」
此方を向いた煉獄さんは、目の下に薄っすら隈ができ、少し痩せたように見える。
目が熱くなる。松葉杖を持つ手が震える。暖かい滴が頬を伝い、足元に落ちた。
『あれ……？涙腺、まだ仕事する……？』
ぐいっ
『……っ！』
ぐっ
「すまなかった。心配をかけてしまったな」
『私のせいなんです！誰一人守れなかった、私の！あああっ！！』
何方ともわからない涙が、布団を濡らしていった。
__________________
「落ち着いたか？」
『はい。すみません……なんか』
30分ほど泣いた為か目が痛い。取り乱してごめんなさいでしたわ。
「その後、どうだ？」
『はい！この度、敷屋 菫は華柱に昇格させていただきました！』
「それはめでたいな！」
そう言って頭を撫でられる。あの、すみません、私15歳……。
『あの、それと、えっと……』
「どうした？」
『あの、お返事で……んっ』
口が煉獄さんの指先で押さえられる。煉獄さんは微笑んでいる。
「あれは、今際の際に慌てて言ってしまったものなんだ。だから……」
もう一度言ってもいいだろうか？
胸のあたりがきゅうっとする。この感情を、私は知らない。蜜璃ちゃんなら、分かるのだろうか。
「菫」
『……はい』
「好きだ」
顔に熱が集まる。熱い。窓を開けようか。
『か、んがえさせてください……』
では、と部屋を出て行こうとすると、「菫」と呼び止められた。
「接吻がしたい」
『！！！だ、駄目です！！！』
__________________
なんでそういうこと自然に言えるの……⁉顔がいいから余計に照れる……！
「カァァ！菫！顔赤イ！」
『う、うるさいなぁ、もう……』
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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます！テスト期間中((←ですが頑張ります！ (2019年9月8日 21時) (
レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編おめでとうございます！！！ 続き楽しみにしてます((o(^∇^)o)) (2019年9月8日 19時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜乃茜 | 作成日時：2019年9月7日 21時
