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漆拾話 継子 ページ35

「お前達、もしかして気づいてるなぁ?」
「『何に?』」
「……気づいた所で意味ねぇけどなぁ。男の方は段々と死んでいくだろうしなぁあ。こうしている今も、俺たちはジワジワ勝ってるんだよなああ」
「それはどうかな!?」
「!?」

不意に、背後で声がした。

「俺を忘れちゃいけねぇぜ!この伊之助様と、その手下がいるんだぜ!!」
『伊之助、善逸……!』

見ると、暫く見ていなかった伊之助と善逸が居た。

「何だ?コイツら……」

すると、上から砂が落ちてきた。と、思った途端、ドン!という衝撃と共に、上から炭治郎が落ちてきた。

『炭治郎……!!』




__________________

「下っぱが何人来たところで幸せな未来なんて待ってねえからなあ。全員死ぬのにそうやって瞳をきらきらさすなよなあぁ」
『……別に、期待したっていいじゃん。人間はそうやって、夢を持つことで未来を勝ち取ったようなもんだろ』

この言葉に、堕姫が「ふん」と鼻を鳴らす。これは、自分にも言い聞かせる言葉。鈴姉の口癖の一つだった。

「勝つぜ!俺たち鬼殺隊は!」
「勝てないわよ!頼みの綱の柱が一人、毒にやられてちゃあね!!」
「!?」

炭治郎、動揺を見せちゃ駄目。コイツらの思う壺だよ。冷静に、落ち着いて。

「余裕で勝つわボケ雑魚がァ!!毒回ってるくらいの足枷あってトントンなんだよ!人間様を舐めんじゃねぇ!!」

そう言って笑顔を見せる宇髄さん。

「こいつらは三人共優秀な俺の"継子"だ!逃げねぇ根性がある!」
「フハハ、まぁな!」
「手足が千切れても喰らいつくぜ!!そしてテメェらの倒し方はすでに俺と菫が看破した!同時に頚を斬ることだ!二人同時にな、そうだろ!!」

その笑顔は、今は療養中の煉獄さんと重なって見えて。私と炭治郎は呆然としてしまった。

「そうじゃなけりゃ、それぞれに能力を分散させて弱い妹を取り込まねぇ理由がねぇ!!ハァーッハ!!チョロいぜ、お前ら!!」
「グワハハハ!!なるほどな、簡単だぜ!俺たちが勝ったも同然だな!!」
「その"簡単なこと"ができねぇで鬼狩りたちは死んでったからなあ。柱もなあ。俺が十五で妹が七、喰ってるからなあ」
「そうよ!夜が明けるまで生きてた奴はいないわ!長い夜はいつもアタシたちを味方するから」

そう言って、堕姫は帯をまた繰り出した。

「どいつもこいつも死になさいよ!!」

*→←陸拾玖話 気付いた事



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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます!テスト期間中((←ですが頑張ります! (2019年9月8日 21時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編おめでとうございます!!! 続き楽しみにしてます((o(^∇^)o)) (2019年9月8日 19時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜乃茜 | 作成日時:2019年9月7日 21時

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