陸拾玖話 気付いた事 ページ34
「俺が選ばれてる?ふざけんじゃねぇ!俺の手の平から今までどれだけの命が零れたと思ってんだ!」
宇髄さんが叫ぶ。
私達は、鬼殺隊であって超人じゃない。この世の人類全てを守れる程の力量は持っていない。
「ぐぬぅう。だったらどう説明する?お前がまだ死んでない理由は何だ?俺の"血鎌"は猛毒があるのに。いつまで経ってもお前は死なねぇじゃねぇかオイ。なあああ!!」
「俺は忍びの家系なんだよ。耐性つけてるから毒は効かねぇ」
「忍びなんて江戸の頃には絶えてるでしょ!嘘つくんじゃないわよ!」
嘘じゃない。だってこの人、気付いたら私の後ろに立ってるもん。足音一つしないんだよ。
「ん?んん?んんんん?」
妓夫太郎が宇髄さんを見て首を捻った。
「ひひっ。ひひひっ。やっぱり毒、効いてるじゃねぇか。じわじわと。効かねぇなんて虚勢張って、みっともねぇなああ。ひひひっ」
よく見ると、宇髄さんは大量に汗をかいている。
『宇髄さん……!!汗が……』
「いいや全然効いてないね。踊ってやろうか」
私の言葉を遮るように言った宇髄さんは、いつもの調子で、刀に手をかけた。
「絶好調で天丼百杯食えるわ、派手にな!!菫!!」
『〜ッ、はい!!』
「行くぞオラァ!!!」
そう叫び、二本の刀を振り回しながら敵に近付く宇髄さん。彼は、柱の鏡だ。
迫る帯をバラバラに切り刻み、妓夫太郎の背中の堕姫を蹴り飛ばす。
華の呼吸 捌ノ型 鳳仙花ノ悲シミ
宇髄さんが妓夫太郎と戦う一瞬の間に、堕姫の腹を刺す。
「俺の妹をいじめんじゃねえよなあ」
「この糞野郎共!!」
宇髄さんが火薬玉を投げる。それを二人で斬り、さらに堕姫が帯でも叩き斬った。
ドドドン!!
「ギャッ……」
爆ぜる。
堕姫が身を屈めた瞬間に、宇髄さんは妓夫太郎の頚を狙う。その隙に、私は堕姫の頚に刃を向けた。
ガキイン!と、武器がぶつかる音が響く。
「チッ。こっちは仕留め損なったぜ」
『よし……』
「うううう!!また頚斬られたぁ!!糞野郎!!糞野郎!!絶対許さない!!悔しい!悔しい!なんでアタシばっかり斬られるの!!」
わあわあと叫ぶ堕姫の頚は斬れたが、崩壊はしない。私達は気付いている。
「お前達、もしかして気づいてるなぁ?」
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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます!テスト期間中((←ですが頑張ります! (2019年9月8日 21時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編おめでとうございます!!! 続き楽しみにしてます((o(^∇^)o)) (2019年9月8日 19時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜乃茜 | 作成日時:2019年9月7日 21時