伍拾弐話 藤の家・後編 ページ15
「これが鴉経由で届いた手紙だ!!」
「ギャーッ!!!」
宇髄さんは善逸に大量の手紙を投げつける。待ってそれどこから出したの。
「随分多いですね。かなり長い期間潜入されてるんですか?」
伊之助は出されたお茶菓子をもぐもぐと食べている。気楽でいいね……。私もお茶菓子頂こ。
「何すんだ菫丸!!」
えっ、食べようとしたら手の甲思いっきり叩かれたんだけど。
『いや、私も食べようと思って……』
「これは俺様のだ!!」
『あっ、左様でございますか』
諦めます。
「三人いるからな、嫁」
うわぁ、爆弾発言。
「三人!?嫁……。さ……三!?テメッ……、テメェ!!なんで嫁三人もいんだよざっけんなよ!!」
善逸目、目めっちゃ血走ってる。取れるよ。目。
「おごぇっ」
宇髄さんが善逸のお腹をこれでもかってくらい殴った。やっと静かになりましたね。
「何か文句あるか?」
ありませんっ。
「あの……、手紙で、来るときは極力目立たぬようにと何度も念押ししてあるんですが……。具体的にどうするんですか」
「そりゃまあ変装よ。不本意だが地味にな。お前らにはあることをして潜入してもらう」
ほうほう成る程。
「俺の嫁は三人共優秀な女忍者、くの一だ。花街は鬼が潜む絶好の場所だと俺は思ってたが、俺が客として潜入した時、鬼の尻尾は掴めなかった。だから客よりももっと内側に入ってもらったわけだ」
あー、雛鶴さん達、久しぶりに会いたいなぁ。
「すでに怪しい店は三つに絞っているから、お前らはそこで俺の嫁を捜して情報を得る。"ときと屋"の「須磨」。"荻本屋"の「まきを」。"京極屋"の「雛鶴」だ」
「嫁もう死んでんじゃねぇの?」
そう言って猪頭の上から鼻をほじる伊之助。それ鼻ほじれてんの?
今度は伊之助をぶん殴る宇髄さん。仮にも上官なら上官らしいキレ方してくださいよ。
「ご入り用の物をお持ち致しました」
藤の家の人が大きな木箱を持って入ってくる。宇髄さんは「どうも」と礼を言うが、炭治郎と私は2人が伸びている横で口を真一文字に結んで座る。正直ここで座ってるのちょこっとキツイんですがね。
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「お前は向こうでコレ着ろ」と宇髄さんに着物を渡された。翡翠色の、綺麗な着物。
勿論一人じゃ着れないから、藤の家の奥さんに手伝ってもらった。
髪型もやってもらった。複雑なハーフアップにされ、ついでにお団子に結わえられた。お団子に赤い簪ぶっ刺されたときはちょっとビビりましたね。
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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます!テスト期間中((←ですが頑張ります! (2019年9月8日 21時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編おめでとうございます!!! 続き楽しみにしてます((o(^∇^)o)) (2019年9月8日 19時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜乃茜 | 作成日時:2019年9月7日 21時