恐れていたこと ページ27
アナキンは女王の侍女と共に別室へと移動していき、副操縦室にはジェダイのみとなる。Aは言いにくそうに口を開いた。
「クワイガン、さっきの…」
思わず言いそうになるがいけないと思い口を閉ざす。その様子を見ていたクワイガンは頷き、続きを促す。
「まさかとは思うけど、シスの暗黒卿じゃないでしょうか…」
Aはぎゅっと震える自分の手を強く握りしめる。恐怖と緊張と不安に自分の心が押し潰されそうになった。
「まさか!シスは1000年も前に滅んだはずです」
「だが暗黒面は見えづらい一面もある。なんとも言えん」
シスの復活を否定するオビワン。それもそうだ。かつて「ルーサンの戦い」という大規模な戦争がジェダイとシスの最後の戦いだ。約1000年にも及ぶその戦争は多くの犠牲を払ってジェダイが勝利しシスは姿を消したのだ。
「帰ったら評議会を招集しよう」
「…ええ」
Aは未だ拭えぬ不安感に身体を強ばらせる。パダワン時代から役に立ってきた未来を見る力がここまで仇となるなんて思いもしなかった。
「心配するな、評議会に報告すれば何かわかるかもしれん」
クワイガンは鬱々としているAの肩に手を置き落ち着かせる。Aは微笑むと
「そうですね、ありがとうございます」
と答えて仮眠室へと消えていった。
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作者名:優 | 作成日時:2024年3月30日 21時