不安 ページ21
日が暮れて夜になってもAは不安感は拭えずにいた。ずっと考えすぎていたのかあの後もまともに眠ることすら出来ず、目にはうっすらとクマができている。
「マスター、お疲れですか?」
「そう?」
2人で外側の修理に勤しんでいるとAはオビワンから思いもよらぬ一言に目をぱちくりさせる。
「そんなに疲れて見える?」
「…なんとなく、なんですけど」
オビワンは言葉を濁らせる。彼女を見てれば一目瞭然、とまではいかないからだ。なんとなく、彼女の纏うフォースがそれを物語っている。
「そう、心配かけたわ。ありがとう」
Aは力なく微笑むと作業に戻る。歳上とはいえ、まだ一人前としては認められていないオビワンにこれ以上心配をかける訳にもいかず、悟られないようローブを被った。
クワイガン達が船を出てさらに数時間後、オビワンのコムリンクから通信が入った。どうやらクワイガンかららしい。ここでは共和国の通貨は使えず現地でなにかを売買するしかないとのことだ。
「なにか売れるものは?」
「日用品のコンテナと女王の衣服が少々、大した金にはなりません」
「わかった、なにか別の方法を考える」
そう言って通信は切られた。
「共和国の通貨なんて使えないのわかってたでしょうに」
「マスターの交渉が失敗した証拠ですね」
フォースによるマインドトリックが得意とするクワイガンの技が効かないとなると相手も相当手強いのだろう。珍しい失敗に2人は思わず笑いあった。
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作者名:優 | 作成日時:2024年3月30日 21時