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伍話 最終選別・後編 ページ7

全集中・華の呼吸 参ノ型 藤ノ雨

全集中・華の呼吸 肆ノ型 乱レ桜

全集中・華の呼吸 伍ノ型 散リ椿

次々に出てくる鬼の頸を、間髪入れずに切り裂いていく。

姉さん、斗笑姉さん、出来てる、私戦えてるよ。

4日目の夜、今までのように鬼の頸を切っていると、目の前に時透君の姿が見えた。

例の如く興奮状態で近付こうとすると、時透君が素早く此方に近づいて来た。

え、と思っていると、

全集中・霞の呼吸 壱ノ型 垂天遠霞

背後に、鬼がいた。

助けてくれた。助けられた。年下。推し。可愛い。

様々な情報が脳を通り過ぎて行く。最後は煩悩。

「ねぇ、大丈夫?」
『……え、あ、うん。大丈夫、ありがとう』
「そう、気をつけてね」

一言残し、時透君は去って行った。

『うおっ、可愛い……』






__________

鬼から逃げ、死に物狂いで走っていたら、気付いたら藤の花の中にいた。どうやら、七日過ぎたらしい。

『生き残った……。生きてる、姉さん……!』
「お帰りなさいませ」
「おめでとうございます。ご無事でなによりです」

周りを見渡すと、20人くらいいた人は、今は3人に減っている。中には時透君もいた。

「まずは隊服を支給させていただきます。体の寸法を測り、その後は階級を刻ませていただきます」
「階級は十段階ございます。甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸。今現在皆様は一番下の癸でございます」

黒髪と白髪の子たちが、淡々と説明をする。

「さらに今からは、鎹鴉をつけさせていただきます」

白髪の子がパンパンと手を叩くと、カァカァと鴉が飛んで来た。

私の鴉は腕に降りて、喉を撫でると気持ち良さそうに鳴いた。

『よろしくね』
「ではあちらから、刀を造る鋼を選んでくださいませ。鬼を滅殺し己の身を守る刀の鋼は、御自身で選ぶのです」

鋼が置いてある台を前に、困る。隣の時透君を見ると、深く考えもせずにさっさと決めてしまったようだ。

何か見えないかなーと思い鋼を見れば、1番手前の鋼が小さく光った。

『これ、かな』









__________

隊服をもらい、鴉を肩に乗せさあ帰ろうと支度をする。

「ねぇ」

その時、声がかけられた。時透君だ。

『……?どうかした?』
「名前。君、名前なんていうの?」
『な、名前?……菫。敷屋 菫だよ』
「そう、菫。同期として、よろしく」

そう言うと、とことこ山を降りて行く時透君。

『推しに、名前、聞かれた……』

私は赤い顔のまま、山を降りて行った。

陸話 私の刀→←肆話 最終選別・前編



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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます!まだ設定しか追加していませんが、もう既に出ているので良かったら是非に……! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編、楽しみにしてます!! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ(プロフ) - あいねさん» おお!ありがとうございます!花の呼吸、既に出ていたんですね。失礼しました……。取り敢えず自分なりに少し変えたりして考えてみます。本当にありがとうございました!頑張ります! (2019年7月9日 22時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
あいね - 長文失礼しました!お役に立てたのなら幸いです。応援しています、頑張って下さいね! (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
あいね - そして、奥義みたいなもので、目の力を最大限に使い、目が血で赤くなる失明の恐れがある型、終の型ついのかた、彼岸朱眼ひがんしゅがんです。なんでも動体視力を最大限に上げて周りの動きが遅く見える技みたいです。つまり余程の鬼でない限り使わないかと。 (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまごぼーろ | 作成日時:2019年6月23日 18時

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