肆話 最終選別・前編 ページ6
ある日、庭に出ると、斗笑姉さんに真剣を渡された。見れば姉さんも真剣を持っている。
「菫、最後の訓練よ。そのままアタシに向かってきなさい。呼吸も使っていいわ。その代わり、アタシも本気でいくから」
姉さんは何を言ってるの?
真剣同士なんて、絶対どっちかが怪我をするに決まってる。
「アタシからいくわね」
全集中・華の呼吸 壱ノ型 黒百合ノ夜空
全集中・華の呼吸 弐ノ型 彼岸ノ咆哮
瞬きをしている間に、勝負はついていた。
姉さんの刃が私に届くよりも先に、私の刃が姉さんの頸スレスレにあったのだ。
「やっぱり、菫は凄いわ。教えてもいない弐ノ型も使える様になってる。【最終選別】菫の全力を出してきなさい!」
『……っ、はい!』
__________
私は、目が良い。炭治郎じゃないけど、相手の隙が光って見える。ここだよって教えてくれる。
屋敷を出る前、斗笑姉さんが羽織をくれた。真新しい、シンプルな藤の花柄の羽織。
「この羽織にはね、アタシの思いが詰まってるの。それから、藤の香りが染み付いているわ。きっと菫を守ってくれる。さあ、行ってきなさい!」
『うん!斗笑姉さん、行ってくる!』
チラッと見えた姉さんの顔は、寂しそうな、優しい笑顔だった。
__________
『わあ……、藤だらけだ。綺麗……』
ということで、やって来ました藤襲山。
こんなに沢山の藤を見ていると、藤の花に吸い込まれてしまいそうで少し怖い。
そういえば、もし仮に生き残ったとして、私の同期って誰なんだろう?そんな事を考えながら階段を上る。
広い場所に出て、誰がいるかなーとキョロキョロすると、いました。推しの時透 無一郎君。
顔割と無表情装ってるけど内心大興奮状態。
だって考えてみてください。推しですよ?目の前に世界一可愛い推しがいるんですよ⁉箱推しだけど!
この時ばかりは転生したことに感謝。前世の記憶は殆ど無いけど。
「皆さま、今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうございます。この藤襲山には、鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込めてあり、外に出ることはできません」
「山の麓から中腹にかけて、鬼供の嫌う藤の花が一年中、狂い咲いているからでございます」
「しかし、ここから先には藤の花は咲いておりませんから鬼供がおります。この中で七日間生き抜く」
「それが最終選別の合格条件でございます。では、行ってらっしゃいませ」
さあ、最終選別の始まりだ。
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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます!まだ設定しか追加していませんが、もう既に出ているので良かったら是非に……! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編、楽しみにしてます!! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ(プロフ) - あいねさん» おお!ありがとうございます!花の呼吸、既に出ていたんですね。失礼しました……。取り敢えず自分なりに少し変えたりして考えてみます。本当にありがとうございました!頑張ります! (2019年7月9日 22時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
あいね - 長文失礼しました!お役に立てたのなら幸いです。応援しています、頑張って下さいね! (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
あいね - そして、奥義みたいなもので、目の力を最大限に使い、目が血で赤くなる失明の恐れがある型、終の型ついのかた、彼岸朱眼ひがんしゅがんです。なんでも動体視力を最大限に上げて周りの動きが遅く見える技みたいです。つまり余程の鬼でない限り使わないかと。 (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たまごぼーろ | 作成日時:2019年6月23日 18時