丗捌話 ごめんね ページ45
誰かの息遣いが聞こえる。
自分のかもしれないし、別の誰かかもしれない。
一体、何が起こった?
「杏寿郎、菫、死ぬな」
私は全身血だらけなものの、軽い擦り傷や切り傷によって流れた血だ。
だが、
『煉獄さん……!』
煉獄さんは殆どが致命傷。もう、治らない。
「生身を削る思いで戦ったとしても、全て無駄なんだよ。杏寿郎、菫。お前達が俺に喰らわせた素晴らしい斬撃も、既に完治してしまった」
あれだけやって猗窩座に付けられたのは、一筋の傷のみ。それももう、治ってしまった。
「だが、杏寿郎はどうだ。見ろ、菫。潰れた左目、砕けた肋骨、傷ついた内臓。もう取り返しがつかない」
目が熱い。涙が溢れる。
「鬼であれば瞬きする間に治る。そんなもの、鬼ならばかすり傷だ」
涙が頬を、隊服を、地面を濡らしていく。止められない。
「どう足掻いても人間では鬼に勝てない」
もう、駄目なのかな。やっぱり、変えられないのかな。私じゃ、力不足なのかな。
煉獄さんを、守れないのかな。
「俺は俺の責務を全うする!!」
『れ……』
「ここにいる者は誰も死なせない!!」
炎の呼吸
そうだよ、私は
奥義
「素晴らしい闘気だ……それ程の傷を負いながらその気迫、その精神力!一部の隙間ない構え!」
鬼殺隊じゃんか。
「やはりお前は鬼になれ、杏寿郎!菫も!」
華の呼吸 秘奥義
「俺と永遠に戦い続けよう!」
術式展開
玖ノ型・煉獄
拾壱ノ型・躑躅烈火
破壊殺・滅式
全ての技がぶつかり、先ほどよりも大きな音が轟く。
炭治郎も、伊之助も、見ててくれてるかな。
私、頑張ったよ。煉獄さんも凄く頑張った。
でも、駄目みたい。
ごめんね。
猗窩座の腕が煉獄さんの腹を貫通する。私は猗窩座に踏みつけられている。脚が折れたみたいだ。
『ぐぅ……』
「死ぬ……!!死んでしまうぞ、杏寿郎、菫!鬼になれ!!鬼になると言え!!」
痛くない、こんなの、まだ、戦え……!!
「お前達は選ばれし強き者なのだ!!!」
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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます!まだ設定しか追加していませんが、もう既に出ているので良かったら是非に……! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編、楽しみにしてます!! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ(プロフ) - あいねさん» おお!ありがとうございます!花の呼吸、既に出ていたんですね。失礼しました……。取り敢えず自分なりに少し変えたりして考えてみます。本当にありがとうございました!頑張ります! (2019年7月9日 22時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
あいね - 長文失礼しました!お役に立てたのなら幸いです。応援しています、頑張って下さいね! (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
あいね - そして、奥義みたいなもので、目の力を最大限に使い、目が血で赤くなる失明の恐れがある型、終の型ついのかた、彼岸朱眼ひがんしゅがんです。なんでも動体視力を最大限に上げて周りの動きが遅く見える技みたいです。つまり余程の鬼でない限り使わないかと。 (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たまごぼーろ | 作成日時:2019年6月23日 18時