廿肆話 宇髄さん ページ29
此処に来ても、然程緊張しなくなってきた。雰囲気が落ち着くからだろうか。抱えている悩み事も、何もかもがどうでも良くなってくる程に不思議な場所だ。
「あれから、炭治郎達はどうだい?菫」
『はい、特に変わった様子は見られません。禰豆子ちゃんも夜以外は大体寝てます』
「それは良かった。菫もありがとう」
『いえ……』
そうです!炭治郎、禰豆子ちゃんの監視をしております!もしも禰豆子ちゃんが人を襲うようなことがあれば、迷わず頚を斬れ。それがお館様からの命。
2人の任務がない日は、普段通り柱補佐のお仕事もやるぞえ。
「それじゃあ、今回の任務だ。京都に鬼が出るらしい。天元と一緒に向かってくれるかい?」
そう言われて後ろを向くと、いつのまにか宇髄さんが居た。もう慣れたわ。
『御意』
「頼んだよ」
_________
「で?お前は誰だ?」
『いや自己紹介しましたやん。菫ですよ。敷屋 菫。ちゃんと覚えててください』
「そうか。俺は祭りの神だ!」
『知ってます。聞きました』
「誰にだ⁉」
『アンタだよ!』
上司をアンタ呼ばわりしてしまったが許してほしい。この宇髄さん煉獄さん乗り移ってたりしない⁉本当は煉獄さんなんじゃないの⁉
「ははは!お前、派手に面白いな!よし、派手に嫁に来い!」
『なんで⁉なんでですか⁉前振りを!前振りをください派手柱さん!!!』
この時点でもう喉が痛い。誰か私に喉飴をください。
でも、こんなに馬鹿やってるけど、こんなことすらも寿命に繋がっているっていうのが怖い。
15年余裕があるといっても、それすらも振り切ってことんと死んでしまうのではないか。何に対してもそう考えてしまう。
「なんだ、悩み事か?この宇髄様に派手に相談してみろよ」
表情で伝わってしまったのだろうか。先ほどとは違う、真剣な顔で聞いてくれる。
全て話してしまえばどれだけ楽になるかな。前世も思い出せないようじゃ、ダメだな。
『……なんでもないですよ。もう少し強くなりたいと思っただけです』
そう言い歩き始めようとすると、宇髄さんは私の頭をポンと撫で、
「菫は、十分強い」
と言った。
……うっわ、顔がいい。
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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます!まだ設定しか追加していませんが、もう既に出ているので良かったら是非に……! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編、楽しみにしてます!! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ(プロフ) - あいねさん» おお!ありがとうございます!花の呼吸、既に出ていたんですね。失礼しました……。取り敢えず自分なりに少し変えたりして考えてみます。本当にありがとうございました!頑張ります! (2019年7月9日 22時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
あいね - 長文失礼しました!お役に立てたのなら幸いです。応援しています、頑張って下さいね! (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
あいね - そして、奥義みたいなもので、目の力を最大限に使い、目が血で赤くなる失明の恐れがある型、終の型ついのかた、彼岸朱眼ひがんしゅがんです。なんでも動体視力を最大限に上げて周りの動きが遅く見える技みたいです。つまり余程の鬼でない限り使わないかと。 (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たまごぼーろ | 作成日時:2019年6月23日 18時