拾玖話 柱合会議、再び・前編 ページ24
い、行きたくない……。
鴉に連れられて那谷蜘蛛山を下山。そのままお館様のお屋敷へ行って柱合会議なのだが、どうしても足が進まない。
それは疲れているからか、それとも……。
「菫さん」
『ひっ……!』
考え事をしていたら、急に声をかけられて背中を触られた。
『しのぶさん……』
「柱合会議が終わったら、蝶屋敷に来てくださいね」
『うっ、はい……』
嫌なこと追加……。
『鴉ぅ……』
「ナンダ!」
『私に化けて代わりに行ってくれや……』
「無理ダ!進メェ!」
__________________
『あ、義勇さん。さっきぶりですね……』
「……」
何も話してくれねぇ……。口下手にも程があるやん……?
「いつまで寝てんださっさと起きねぇか!!柱の前だぞ!!」
吃驚すんだって……。急に叫ばんでくれ……。
隠の人に叩き起こされた炭治郎は、辺りをキョロキョロしていて、動揺しているようだった。
「ここは鬼殺隊の本部です。あなたは今から裁判を受けるのですよ。竃門 炭治郎君」
いつもと同じような笑顔で語りかけるしのぶさんだが、今の私にはめっちゃ怖い笑顔に見えますよ。
「裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなど明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」
「ならば俺が派手に頚を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ。もう派手派手だ」
「(えぇぇ……、こんな可愛い子を殺してしまうなんて、胸が痛むわ。苦しいわ)」
「あぁ……、なんというみずぼらしい子供だ。可哀想に。生まれてきたこと自体が可哀想だ」
「(何だっけあの雲の形。何んて言うんだっけ)」
「殺してやろう」
「うむ」
「そうだな。派手にな」
柱補佐の立場の私では、何も言えない。彼を助けることすら出来ない。唯一私が出来るのは、自分勝手な発言をする柱の人達をただ見ていることだけ。なんて無力なんだろう。
炭治郎は殆ど動かせない体を必死によじって周りを見ている。おそらく、禰豆子ちゃんを探しているのだろう。
「そんなことより、冨岡と柱補佐はどうするのかね」
木の上から声が聞こえる。
「拘束もしてない様に俺は頭痛がしてくるんだが。胡蝶めの話によると、隊律違反は冨岡と柱補佐も同じだろう。どう処分する。どう責任を取らせる。どんな目にあわせてやろうか」
「(伊黒さん相変わらずネチネチして蛇みたい。しつこくて素敵)」
『……』
正論すぎて言葉が出ない。一体、どうすればいいんだろう。
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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます!まだ設定しか追加していませんが、もう既に出ているので良かったら是非に……! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編、楽しみにしてます!! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ(プロフ) - あいねさん» おお!ありがとうございます!花の呼吸、既に出ていたんですね。失礼しました……。取り敢えず自分なりに少し変えたりして考えてみます。本当にありがとうございました!頑張ります! (2019年7月9日 22時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
あいね - 長文失礼しました!お役に立てたのなら幸いです。応援しています、頑張って下さいね! (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
あいね - そして、奥義みたいなもので、目の力を最大限に使い、目が血で赤くなる失明の恐れがある型、終の型ついのかた、彼岸朱眼ひがんしゅがんです。なんでも動体視力を最大限に上げて周りの動きが遅く見える技みたいです。つまり余程の鬼でない限り使わないかと。 (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たまごぼーろ | 作成日時:2019年6月23日 18時