拾陸話 頭が上がりません ページ20
「あ、菫さん。こっちです、こっち」
『はい!』
善逸と蜘蛛にされた人達の治療を終えて、義勇さんと合流しようということで山の中を駆けております。菫です。
暫く行くと白い影が見えた。
「あたしの糸束はね、柔らかいけど硬いのよ。まず溶解液が邪魔な服を溶かす。それからアンタの番よ。すぐどろどろになって、あたしの食事になる」
居た!蜘蛛の鬼・姉だ!
「わぁ、凄いですね。手の平から糸を出しているんですか?」
気づいたら隣にいたはずのしのぶさんは、蜘蛛姉の背後に居た。
「こんばんは。今日は月が綺麗ですね」
蜘蛛姉はしのぶさんに気づくと、慌てて糸束を出すが、しのぶさんはそれをひらひらと躱していく。まるで蝶のように。
『す、凄い……』
「私と仲良くするつもりは、ないみたいですね」
暫く蜘蛛姉と話していたしのぶさんだったが、急に空気が変わった。重く、体に纏わり付くような空気。
「人を殺した分だけ私がお嬢さんを拷問します。目玉をほじくり出したり、お腹を切って内臓を引き摺り出したり。その痛み、苦しみを耐え抜いた時、あなたの罪は許される」
背筋が凍るような感覚。仲間だとはわかっているものの、私が蜘蛛姉の立場ならきっと泣いていただろうと思う。
「一緒に頑張りましょう。大丈夫!お嬢さんは鬼ですから死んだりしませんし、後遺症も残りません!」
「冗談じゃないわよ!!死ねクソ女!!そこの稀血の女もろとも殺してやる!」
『しのぶさん……!』
危ないと言いかけたが、
蟲の呼吸 蝶ノ舞 "戯れ"
しのぶさんの刀が蜘蛛姉に突き刺さり、それは憚られた。
「仲良くするのは無理なようですね。残念残念」
「……⁉」
暫くすると毒が回ったのか蜘蛛姉は真っ青な顔をして倒れた。
「菫さん、繭を」
『はい!』
支持された通りに繭を斬ると、中からどろどろの男の人が出てきた。
「ゲェッ!げほっげほっ」
『大丈夫ですか?』
「だ、大丈夫です。ゴホッ、鬼には、止めを刺さなくていいのですか?」
「藤の花の毒で殺したんです。もう死んでいるのであのまま腐ります。私は薬学に精通しているんですよ」
男の人に自慢気に語るしのぶさんは最後に、
「服が溶けただけで体は殆ど無傷ですね。よかったです」
とにっこり言った。
男の人は凄いげんなりしてた。可哀想。
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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます!まだ設定しか追加していませんが、もう既に出ているので良かったら是非に……! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編、楽しみにしてます!! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ(プロフ) - あいねさん» おお!ありがとうございます!花の呼吸、既に出ていたんですね。失礼しました……。取り敢えず自分なりに少し変えたりして考えてみます。本当にありがとうございました!頑張ります! (2019年7月9日 22時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
あいね - 長文失礼しました!お役に立てたのなら幸いです。応援しています、頑張って下さいね! (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
あいね - そして、奥義みたいなもので、目の力を最大限に使い、目が血で赤くなる失明の恐れがある型、終の型ついのかた、彼岸朱眼ひがんしゅがんです。なんでも動体視力を最大限に上げて周りの動きが遅く見える技みたいです。つまり余程の鬼でない限り使わないかと。 (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たまごぼーろ | 作成日時:2019年6月23日 18時