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拾話 初めての鬼退治・前編 ページ14

「ああ、そういえば。この頃は村の男達の体に不自然な傷ができてるな」

不自然な傷かぁ……。男性だけってことは女の鬼かな。

『成る程……。ありがとうございます!』
「あんたら、夜は鬼が出るから気を付けなよ」
『ご心配ありがとうございます。では』

その後、10人くらいの人に聞いたが、どれも同じような情報だった。

『なんで傷だけなんだろ……。鬼なら喰べる筈だけど……。そこんとこどう思います、時透くん?』
「……」
『どうしました?』

時透くんが足を止めて黙ってしまった。心成しか拗ねてる?拗ねてます?

「……その中途半端な敬語は何なの」
『いや、同年代だけど一応時透くん上司ですし……。オール敬語の方がいいですか?』
「おーる……?いや、同期なんだから敬語はやめて。それから、時透くんもやめて」
『ええ、そんな急に言われても……。じゃあむいくんで。そんでもうすぐ夜だし鬼退治行こうぜ』
「順応性の高さ……」





__________________

『……』
「どう?何か見える?」

私の視力で鬼の足跡、微かに残ったオーラ的なのを見て探索中。

「ひひっ……」

その時、風に乗って不気味な笑い声が聞こえてきた。

上を見上げると、民家の屋根に座っている鬼がいた。15、6歳ぐらいの女の子に見えるその鬼は、私とむいくんを見比べてまた「ひひっ」と笑った。

「女の子2人かと思ってガッカリしてたけど、片方は男の子なんだぁ。しかも柱なのね。女の子みたいな男の子は初めてだし、柱も初めてだわ。また私の宝物が増える……。ひひっ」
『何が可笑しい……。村の人々に傷だけつけてる鬼はお前だな』
「そうだよぉ。傷口からはね、私の血が少量入るの。そうするとみーんな私に従ってくれる……。ひひっ。楽しいなぁ」

ゾッとした。何がそんなに楽しいのか、女の鬼は頬を染めて笑っている。

「ほら、来たよ」
『……⁉』

振り返ると、鬼に傷をつけられたであろう村の男性がぞろぞろと此方に歩いて来た。みんな何かに操られているように、目が虚ろだ。

「さぁみんな、私のためにこの2人を捕まえて!あ、男の子の方は優しく扱ってね。女の子は殺しちゃっていいわ」

ちょっとこれは、初・鬼退治にしては少々難易度高すぎやしませんかね。

拾壱話 初めての鬼退治・後編→←玖話 柱のお手伝い



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たまごぼーろ(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます!まだ設定しか追加していませんが、もう既に出ているので良かったら是非に……! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続編、楽しみにしてます!! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 6d590d31fd (このIDを非表示/違反報告)
たまごぼーろ(プロフ) - あいねさん» おお!ありがとうございます!花の呼吸、既に出ていたんですね。失礼しました……。取り敢えず自分なりに少し変えたりして考えてみます。本当にありがとうございました!頑張ります! (2019年7月9日 22時) (レス) id: 69cc3fb36c (このIDを非表示/違反報告)
あいね - 長文失礼しました!お役に立てたのなら幸いです。応援しています、頑張って下さいね! (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)
あいね - そして、奥義みたいなもので、目の力を最大限に使い、目が血で赤くなる失明の恐れがある型、終の型ついのかた、彼岸朱眼ひがんしゅがんです。なんでも動体視力を最大限に上げて周りの動きが遅く見える技みたいです。つまり余程の鬼でない限り使わないかと。 (2019年7月9日 21時) (レス) id: 59d3daabe9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまごぼーろ | 作成日時:2019年6月23日 18時

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