深い蒼の瞳に捕まった話

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「ねぇ、もしかして、柳田さん、大学、慶応じゃなかった？」

「そうだけど。なんでわかったの？」

「いや、さっきお名前聞いたときに、ん？と思って。

　「柳田将洋 バレー 同い年」で頭ん中を検索してたら、あれ？て。

　1年の夏休みの留学から帰ってきたときに友だちがバレーのこと話してたのが引っ掛かって。

　あ、わたしも慶応なんです」

「え！ほんとに？！」

「そうなんだよ。キャンパスが違うし、わたしは大学4年間の半分くらいは留学してたから。

　会わなかったと思う」

「え？学部は？語学系？日吉？…何ヵ国語しゃべれるの？」

「商学部だから三田だね。日本語を入れると、５かな」

「日本語、ドイツ語、…？」

「英語、フランス、ロシア。全部がネイティブレベルじゃないよ。

　まぁ、旅行に行って困らないくらいかな。今はイタリア語を勉強中」

「ふーん。イタリア人の友だちか恋人がいるの？」

「ノーコメントですｗ」



「久しぶりにこんなに日本語を話した。変じゃなかった？敬語しゃべれてなかった気がします」

「ぜんぜん。ナチュラル。てか、同い年なら、敬語いらなくない？」

「そっか。いつか試合を見にいきますね」

「練習も公開してるから。時間あったら、ぜひ」



久しぶりに日本語でコミュニケーションが取れて

しかも同い年、同じ大学。そんな人と、ここドイツで出会えて、少し肩の力が抜けた気がした。



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