深い蒼の瞳に捕まった話

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「多緒ちゃん、髪染めてるの？」

(え、多緒ちゃん呼び定着？ｗ)

「いや、地毛だよ」

「さっきと色が違くない？」

「光の具合によって、見え方が違うんだよ。ね、マサ」

「ほんと。最初は赤髪かと思った」

「あと、瞳の色がさ。めっちゃ綺麗だよね」

「え？気付かなかった！見せて！！」

祐希が多緒の瞳をめっちゃガン見。

５秒くらい見つめ合って多緒が吹き出す。

「ちょっとｗ見過ぎｗさすがに恥ずかしいわｗ」

「海外で色んな国の人を見たけど、見たことない。紺色でもなく、なんか不思議」

「多緒、やたらに見せびらかすの無しだかんね？」

「えー、マサさん独り占め？ｗ」

「見せびらかすも何も、眼だから仕様がないじゃんｗ」



「あ、いとこらに会わないの？」

「電話してみる？」


「ちゃお。今、イタリアに来てるんだ」

「え？ひとり？」

「のん。彼氏とその友だちらと」

「彼氏？カメラに切り替えて」

「やってみる」


「ちゃお〜。久しぶり。映ってるかな？」

「イタリア語、うまくなってる」

「ほんと？やったー」

「で？彼氏と友だち、て？」

「画角におさまるかなぁ」

「え、ユーキ・イシカワ？！」

「知ってるの？」

「もちろん。バレー部だもん」

「へぇ。ユウキは友だち。彼氏はこっち、マサ。奥にいるのがイッセイ」



しばらく何かについて話して、電話は切られた。

「最後の方、なに話してたの？」

「身内の話だよ。おじさん元気？とか」

「バレーやってるの？」

「みたいだね。今年から日本でいう高校生で、始めたんだって」

「え？！さっきの子、高校生？！同い年くらいかと思った！」

「日本人が童顔なんだよ。わたしも最初、マサのこと年下だと思ったし」


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