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ただいま、心でぽつり呟く。
お兄ちゃんの亡骸を家に持ち込む訳には行かず、玄関のところに横たわらせた。ごめんねお兄ちゃん。明日朝起きて直ぐにお母さんのところに埋めるからね。
もう訳もわからず、ただ人間に会えたことが嬉しくて家まで招いてしまった。心はぐちゃぐちゃだ。私はこれからどう生きていけばいいのだろう。というか、あの人がお父さんがよく言っていた不死川さんか、とても強そうな人だ。
っと、いけないいけない。自分で招いたのだ。
食事の準備をしなければ。
｢不死川様は鮭大根、食べられますか?｣
そう聞くと不死川さんは、なんとも言い難い表情をしていた。
｢あ、お嫌いでしたら別のもの!準備できますので!｣
｢いや、いい。｣
あ、いいのか。
朝のお味噌汁を温め直して、鮭大根を急いで作って、栗ご飯…は叶わなかったから雑穀ごはん。それとお漬物を円卓に並べた。
｢すみません、田舎者なもので大したものは出せないんですが…｣
｢構わねェ、いただきます｣
｢いただきます…!｣
不死川さんは無言で、無表情でぱくぱく食べている。
そして、突如手を止めた。なにか不味いものでも入っていたのだろうか。
｢うっま……｣
｢…!お口に会いましたようで良かったです!｣
見た目は少し怖いけれど、なんだ、めちゃくちゃいい人なんだ。きっと私を心配して(父が元々知り合いであったおともあるだろうけど)家まで着いてきてくれたんだ。
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作者名：霜月 | 作成日時：2019年10月13日 22時
