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母が死んで数週間がたっただろうか。
ある日、私は夢を見た。
以下がその夢の内容である。
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木枯らしの吹く肌寒い夜だった。
その冷たい風は、季節の移ろいを拒む様だった。
どうしてかは分からないが、そう感じたのだ。
目の前に広がるのは私たち家族が暮らしている村であった。
生い茂っていた葉っぱたちは、力無く寝そべっていた。
私は小高い丘から村を見渡していた。私は栗の入った籠を手に持っていた。
村は閑静としている。
あまりにも静かすぎるのだ。
半ば衝動的に私は村へと下りていた。
そしてこの時点で、私は二つの事に気づいた。
一つは、夢の中では自由に動けるということ。
先程、衝動的に村へ下りていたと言ったが、正確に言えば、「自らの意思で下りた」のだ。一般的には明晰夢と言うらしいと、後に知った。
二つ目は、夢の中の世界は「未来の世界」であるということ。しかしこれは予知夢とは少し違う。何故なら、これが現実になるとはまだ分からないからだ。つまり、未来になってみなければ、この夢が本当に起こることなのか分からないのだ。
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作者名:霜月 | 作成日時:2019年10月13日 22時